狂犬と私 (ページ19)

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19話ページ19

相良side

そのまま智司と商店街を歩いていると、智司が妙なことを聞いてきた。

片桐「相良、さっきの女は知り合いか？」

…知り合い、ではねぇよな。

相良「ちっげーよ。昨日たまたま会った女。この俺に喧嘩売ってきた、アホな女だ」

そう言って笑ってやる。
本当、アホな奴だよあいつは。

片桐「…驚いたな」

相良「本当、開久に喧嘩売るなんてなぁ」

片桐「ちげぇよ。相良がそんなやつのこと覚えてることにだ。知り合いでもねぇのに」

相良「はァ？なんでだよ」

片桐「…おまえ、前に人のこと覚えんの苦手って言ってただろ。覚えてたらキリがねぇって」

相良「そんなこと言ったっけかぁ？気の所為じゃねぇの」

そう言って、笑ってやった。

片桐「そうか。なんでもいいが、女に手出すんじゃねえぞ」

相良「…わーかってるよ、智司」

智司、すまんなもう殴っちまった。内緒にしとくか…

そんな話をして、智司とは別れた。

智司にはあぁ言ったけど、俺は人のこと覚えんのは苦手だ。

じゃーなんであんな女覚えてんだ？イラつく。

…にしても。

相良「あの女の顔、すっげー腫れてたな…」

俺が殴ったんだが、ちょっとやりすぎちまったか？女相手に…。

それに、あの女。三橋のことなんであんな必死に庇うんだよ。

あんなやつ、俺と大して変わらねぇ卑怯者なのによ。

なのに、なんで。

って、何らしくねぇ事言ってんだ。

あんな女に手加減なんかするかよ。

三橋のこと庇ってたってどーでもいいだろ関係ねぇ。

あー、なんかすげえイラつく。