狂犬と私 (ページ1)

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1話ページ1

Aside

街を歩くと、至る所に不良たちがいる。

引っ越してきたばかりだが、最近はここらでも「ツッパリ」が流行ってるらしい。

「ふざけんじゃねぇぞオラ！」

商店街に大きな怒鳴り声が響く。
どうやらここらで有名な開久の人達が、誰かと揉めているみたいだ。

それにしても銀色の髪をした人がいるなんて、開久ってどんだけなんだよ…

まぁ、きっと私とは縁なんてないんだろうけど。
殴られてる人には悪いけど、さっさと帰ろ。

『って！！なにしてるんですかっ！血だらけじゃないですかその人！』

「あ"？」

銀色の髪をした男の人が不快そうな顔をしてこちらを向いた。
…あ、終わった。思わず叫んでしまった。
さっき関わらないって決めたのに。

「んだてめぇ。女の癖にいい度胸してんなぁ。あっ、もしかしてこいつお前の彼氏だったァ？」

そう言って不敵な笑みを浮かべながら、私に近づいてきた。

「ゴメンねぇ、マブイ姉ちゃん。こんな弱っちぃやつ辞めて起きな、ちょっと蹴り入れたくらいで気絶してらァ」

『ふざけんな！！彼氏じゃねぇし！彼氏いない歴が年齢な私もこんな弱っちいやつごめんだわ！』

「いやそこかよ！？」

ついつい心の声が…銀色の髪した人も驚いてるよこりゃ。

『あっ、ちょ、用事思い出したので帰りまーす...』

「おいてめぇ待てや。この俺に喧嘩売っといてタダで済むと思ってんのか？土下座しろ。」

さっきとは全く別の、狂気に溢れた目で私の手を掴んできた。