TIME.90ミステリートレイン(発車) ページ41
｢わぁ〜!!すっごーい!｣
｢歩美､蒸気機関車って初めて見る〜!!｣
｢オレもー!!｣
｢大迫力ですー!!｣
東京駅で歩美ちゃん達は大興奮で目の前に停まっている蒸気機関車に目を輝かせて眺めていた｡灰原さんはコナン君から風邪が移ったのかゴホゴホと咳してるのが心配だしなにやら嫌な予感がして落ち着かない｡
僕達がミステリートレインに乗れるのは鈴木財閥の園子さんが特別に席を取ってくれたからだ｡一見偉そうに見えても見ず知らずで一度も会ったことのない僕の分まで取ってくれたんだ｡この人はとても良い人なんだなと感じ改めて御礼を言ったら｢別に良いのよ､一人や二人増えたってかまやしないわ!｣と笑っていた､凄くエネルギー溢れた人なんだな…園子さんの目的は怪盗キッドみたい｡
｢ーっていうか京極さん怒るよホントに…｣
｢キッド様への愛は別腹なのよ(ハート)｣
｢僕はそんな泥棒よりも…毎回車内でやってるっていう推理クイズの方が気になるけどな!｣
｢ひっ!｣
いきなり現れた世良さんに僕はビックリして思わずコナン君の背中に隠れた｡コナン君もいきなり自分の背中に僕が隠れた事にビックリしている。
｢おい出流､お前いきなりどうしたんだよ!｣
｢別に…何でもないよ｣
｢何でもなくないだろ…オメェ世良を見てからなんか変だぞ!｣
｢…別に普通だよ｣
コナン君に嘘をついた､別に普通なんかじゃない｡僕はこの人を見るのが嫌なだけ…この人を見ると思い出したくない何かを思い出しそうで嫌だ｡
｢やぁ君また会ったな!｣
｢…あっ…はいそうですね｣
｢君は相変わらず僕の事を苦手みたいだね｡まいったよ､僕は君と仲良くしたいだけなのになぁ｣
｢えっ?この子人見知りなの?私にはそんな素振り見せなかったんだけど…｣
｢出流君はそんな人見知りする子じゃない筈なんだけど…どうしたのかしら?｣
蘭さんや園子さんは不思議そうに首を傾げている｡僕はその世良さんの何か確信をついた目が苦手だ｡先週会った時から僕の事を探るような目､この人は僕の事を何か知ってるの?それともパパの事を嗅ぎまわってるのかな…
黒の組織の人なのかな?それともバーボンとしてのパパの敵の人とか？兎に角この人から極力避けた方が良いかもしれない｡
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作者名：イズミ | 作成日時：2018年9月12日 19時
