TIME.87窮地の烽煙 ページ38
入り口の扉がガタガタと音を鳴らし揺れ始めた､元太君達が犯人が戻ってきたのかと身構える､僕も元太君の意見に同意だから念のため灰原さんを背にして扉に身構えた｡さっきは情けない姿見せてしまったからちゃんとしないと…
｢ちょ､ちょっと話しかけて見ませんか?たまたまこの山小屋を訪れた人かもしれませんし…｣
｢それは流石に得策ではないと思うよ…まだこの近くに犯人がうろついてると思うし…｣
次の瞬間扉がドンと大きな立てて先ほどより揺れが大きくなった､犯人がこの扉を蹴破ろうとしてるんだとすぐわかった｡もしこの扉が破られたらどうしよう…
｢間違いないわ…この扉の向こうに居るのはさっき死体を埋めてた…
犯人よ!!｣
｢多分､あの黒いバックの持ち主…さっき埋めてた女の人をここに連れてきて殺したのよ｡
でも大丈夫…入り口はこの扉だけだし…た､助けがくるのをここで大人しく待ちましょ…｣
｢哀ちゃん震えてるの?｣
｢ちょっと寒気が…江戸川くんの風邪がうつったのかしら…｣
あれから二時間くらい経った､扉からは物音が一つもしない､犯人は諦めてどっか行ってしまったのかな…でも顔を見られた犯人がそう引き下がるわけがない､なにか罠が仕掛けられているのかもしれない｡
｢おい､何だコレ!?鎖がかかって外に出られねーぞ!｣
｢何かコゲ臭くない?｣
｢ま､まさか…｣
｢僕達を逃がさないためこの小屋を焼いてるんじゃないかな…｣
凄く最悪の事態だ…窓も釘が打ち付けられて開かないし扉は鎖で塞がれて逃げられない｡僕たちはまんまと犯人の罠にハマってしまった…
｢は､はやく逃げないと…｣
｢クソ!この扉ビクともしねーぞ?おい､出流の力でこの鎖なんとかなんねーか?｣
｢元太君君僕の腕力なんだと思ってるのさ､流石の僕でもこの扉を破るのは無理だよ!｣
｢犯人でも破れなかったのに子供の力じゃ…｣
｢大丈夫!この煙に気づいてきっと助けに来てくれるから…｣
何度も扉を蹴破ろうともビクりともしない､そうしてる間にも煙は小屋の中を充満してきて息をするのが苦しくなってきた｡
｢僕このまま死んじゃうのかな…｣
｢え､縁起でもないことを言わないでくださいよ…｣
｢そうだぞ!このまま諦めちまったら元もこもねーじゃねーか!少年探偵団は最後まで諦めちゃいけねーんだぞ!｣
｢弱気言ってないで生きていたいのならさっさと屈みなさい!｣
そうだった…諦めたらヒロさんたちに怒られちゃうよね､僕も頑張んなきゃ!
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作者名：イズミ | 作成日時：2018年9月12日 19時
