TIME.84 ページ35
ガチャ…
「パパおかえ…」
出迎えようとして玄関に進めていた足を止め急いで部屋の奥へと逃げ込み物陰に隠れた。なんだアレは!背筋を凍りつかせるほどのおどろおどろしいオーラ、確かに降谷零なのに身に纏ったオーラでパパじゃない別物…例えるなら般若に見える。
「…ただいま」
「おっおかえりなさい」
あまりの恐怖に噛みながら返事をした、パパに何があったのだろう?あんなパパ初めて見る、服装からして多分黒の組織絡みだと思う。ジンに苛められたりしたのかな?あの人目で人を殺せそうな感じの人だし。
「出流」
「は…はい!」
「そこに隠れてないで此方に来なさい」
パパに呼ばれて恐る恐るパパの元へと歩み寄る、まるで執行される直前の囚人の気分で胃がキリキリと痛くなってきた、あぁ…出来れば窓から逃げ出したい、逃げ出したいけど逃げれない。
「そんなに怯えなくても俺は怒ってはないぞ」
「だってパパ顔が怒ってるじゃん」
「"お前には"怒ってはいないただお前に伝えなければならない事がどうしてもあるからな」
僕には怒ってないんだ、てことはやっぱり黒い人達に関係するのかな?最近あの危ない人達と遭遇してるから流石のパパもイライラしてきてるのかな…今日だって藍ちゃんとそのお母さんに会ったし、本当に僕ってついてない…僕呪われてるの?
「いいか?今後そのアイという女の子とその母親に関わってはいけないよ」
「もし偶然会ってしまったら?」
「無視してもいい、逃げなさい奴等は危険だ、何をしでかすか分からないんだ。現に出流は奴等に顔を知られているこれ以上お前を奴等と接触させるのは危険なんだ、わかったな?」
「わかった、僕藍ちゃんに会っても避けるよ」
「良い子だ」
パパにぎゅっと抱きしめもらった、やっぱりパパは温かくて落ち着くな…でも今日のパパはいつもと違う匂いがする、香水の匂い…ベルモット?ううん違う、これは藍ちゃんのお母さんの匂い。
パパは藍ちゃんのお母さんに会ってきたんだ、それでパパを怒らせたんだ…
「(パパを苛めた人の匂い…嫌い)」
パパに着いた香水の匂いを僕の匂いで上書きする様グリグリとパパに擦り付ける。この香水の匂い嫌い、パパを苛めたあの女の匂い…ベルモットより嫌だ、ベルモットはまだパパを苛めてないからまだベルモットの方がマシだ…
「(早く終わればいいのに…)」
そうすればパパはこれ以上苦しまずに済むのにな。
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作者名:イズミ | 作成日時:2018年9月12日 19時