TIME.72 ページ23
伏見稲荷大社の千本鳥居の道を途中まで歩いて引き返した僕たちは次に安井金比羅宮に向かった｡
｢安井金比羅宮って縁切り神社だよね?なんで縁切り神社に行くの?｣
｢縁を切るため行くんだよ｣
｢ふーん｣
脳裏にあの黒い人達が過った､パパは僕とあの黒い人達の縁を切るために行くのかな?なにか外にもある気がしてならないけど｡
伏見稲荷大社から数分車に揺られ僕が安井金比羅宮を見て思ったのが緑が鬱蒼としてるなぁと思ったし人も稲荷大社と比べると少ないかなって思った｡
本殿に手を合わせ参拝を終えたらパパから形代という身代わりのお札を渡された､どうやらこれにお願い事を書くみたい｡
｢伏見と何か違う雰囲気だね｣
｢悪い縁を絶ち切る場所だからな､此処には悪い縁を絶ち切って良い縁を結ぶんために来たんだ｣
｢じゃあ僕は黒い人達の縁を切るってお願いすれば良いの?｣
｢あぁ､奴らと関わるべきではないからな出流は紙に書きなさい｣
僕はパパに言われた通りに(黒く怖い人達との縁が切れます様に)と書いた､黒ずくめが居なかったらパパに近づく女が居なくなりますようにって書けたんだけどな…
チラッとパパを見ると凄まじい負のオーラを出しながら何か紙に書いている､何か後ろにおぞましい何かが見える気がする…
｢(パパこうなる位絶ち切りたい人いるのかな?)｣
｢書けたか?｣
｢うっうん!｣
｢よし､それを持って碑を潜るぞ｣
｢はーい｣
パパに言われた通り縁切り縁結び碑を潜り抜けお札を碑に貼った｡パパが穴に詰まるのを少し望んだけど僕の期待を裏切り難なく潜り終わった｡
｢出流なんだその残念そうな顔は､まさか俺がこの穴に詰まる事を期待したな?｣
｢さぁなんの事かな?｣
｢したんだな｣
｢あはは…｣
パパからジトッという目線に思わず目をを反らした｡
｢それよりパパ僕お腹減った｣
｢…もう昼頃だからな､何処かで昼食にするか｣
｢うん!｣
話を反らせた様でホッとした…
お昼ご飯は何かな?パパの事だから京都の名物なんだろうな｡
｢パパ何食べる?｣
｢そうだな…京都に来たら名物を食べたいよな､にしんそばでも食べに行くか｣
｢にしんそば?｣
｢かけそばの上に身欠きニシンの甘露煮を載せたものだよ､京都と北海道の名物料理だよ｡出流そばと魚好きだろ?｣
｢うん大好き!!｣
にしんそばかぁ〜楽しみだなぁ､パパは僕が好きなもの把握してるから大好きだ｡
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作者名：イズミ | 作成日時：2018年9月12日 19時
