TIME.57 ページ8
パパに黒ずくめの組織から救ってもらい只今車の中､僕はあの時の事が忘れられず身体を震わせた｡
｢出流何処か怪我はないか?奴らに変な事されてないか?｣
｢大丈夫何処も怪我してないし変な事されてないよ｣
すぐパパが助けにきてくれて助かったけどもしパパが来てくれなかったら…そんな事考えるのはやめよう｡
｢パパ…ブザーの盗聴機でベルモットが言ってた事聞いたよね?｣
｢あぁ､まさかRUMに目をつけられていたとは…くそ!俺としたことがよりにもよって出流を巻き込んでしまうなんて!!｣
歯を食い縛り悔しそうに車のハンドルをバンッ!と叩いた､震えと恐怖に身を震わせている僕はパパに声も掛けられなかった｡
｢…しばらくお前に護衛を着ける当分学校以外外出も禁止だ､いいな?｣
｢…はい｣
こうなっては仕方がない事態が落ち着くまで家の中でおとなしくしていよう､僕のせいでパパに迷惑を掛けてはいけないし｡
｢僕黒ずくめの組織の仲間になっちゃうの?｣
｢そんな事させない､俺が許さない…大丈夫出流は俺が守るから｣
｢…うん｣
パパは僕を守ってくれると言ってくれた､その言葉だけでも凄く嬉しい｡
｢……｣
｢…出流｣
しばらくの間僕とパパは会話もなく静かに車を走らせ続けた､家にも警察庁にも向かわずただ車を走らせる､目的地は僕にはわからない｡
僕は車の窓から流れる景色をただぼんやりと眺めた｡そういえばこの座席ベルモットの香水と同じ匂いがするなぁ…しばらくして人気のない所で車を停車させた｡
｢出流もういい｣
｢パパ?｣
｢もう我慢しなくていいんだ｣
パパに抱きしめられた､その優しい声に安心し涙と我慢してた感情が爆発した｡
｢うわぁぁぁぁぁぁこわかったよぉぉ!!｣
｢あぁ…よく耐えたな｣
｢あのロン毛の目付きが悪くて視線だけで人殺せそうな男がこわかったよぉ!ベルモットが逃げたらパパも殺されるって言うから…僕もうやだよぉ!｣
｢大丈夫…俺が何があっても守るからな｣
パパの手が僕を優しく撫でる､一度爆発したら涙と感情が止まらない｡
｢パパは…パパは居なくならないよね?松田さんや萩原さんや伊達のおじさんとそして…ヒロさんみたいに僕から居なくならないよね?
僕もう大事を亡くすのはやだよぉ!!｣
｢大丈夫…大丈夫だ､俺はお前を置いて逝かない…ずっと出流と一緒だ｣
良かった…パパのその一言で僕は少し救われた気がした｡
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作者名：イズミ | 作成日時：2018年9月12日 19時
