解放 ページ21
ギプスが外れた瞬間、左足に触れる空気。
そして感じる解放感。
Dr「はい、お疲れ様」
先生はそう言ってニコニコと笑いかけてくれる。
A「先生！すごい！軽い！」
膝を曲げて少し足を引き寄せる。ピリッとした軽い痛みはあるものの、左足はしっかりと動かすことができる。
TM「Aっ…⁉」
テミンオッパから焦った声で止められる。
Dr「あぁ…もぅ、いきなり運動しださないよ！少しずつリハビリするから！」
先生が苦笑しながら釘をさす。
A「あ、はい…嬉しくてつい…」
ごめんなさい…と続ける私に、先生はゆっくりとなら動かして良いが、左足だけ体重をかけたり、急に歩くのは厳禁だと念を押す。
それよりも凝り固まった筋肉をほぐし、筋力を回復することが大切だと説明してくれた。
A「はい！リハビリ頑張ります！」
TM「先生…ほんとにありがとうございます…」
オッパが立ち上がり先生に深々と頭を下げる。
慌てて私もオッパに続いて頭を下げる。
A「あ、ありがとうございます」
Dr「…とんでもない、これが僕の仕事です」
先生はそう言うと、後片付けを看護師さんに任せ、そそくさと病室から出て行った。
Ns「先生照れてるだけですから…笑」
看護師さんはそう言ってテキパキと後片付けを終え、ギプスから解放された左足をガーゼで拭ってくれた。
Ns「座ってなら、左足もシャワーして大丈夫ですよ。転ばない様に注意して下さいね。」
そう言って看護師さんも病室から出て行った。
TM「A〜、シャワーする？オッパが手伝ってあげようか？」
ニコニコ笑顔でオッパが顔を覗き込んでくる。
A「うん！」
3週間も洗っていなかった左足はギプスで密封されてて、正直…くさい…。
TM「お湯ためてくるね〜」
オッパはなぜかウキウキした様子でお風呂場に向かった。
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作者名：sae | 作成日時：2016年11月15日 22時
