木蓮の記憶 ページ3
お昼を少し過ぎた頃、アッパも帰宅し、3人で昼食に出かける。
オンマ「家族で出かけるの久しぶりね〜」
A「ほんと！久しぶり！」
オンマ「昔みんなで行った宮廷料理の店に行きたいわ」
A「え？どこだっけそれ？」
オンマ「あんたまだ小さかったからねぇ…」
A「4人で行ったの？」
オンマ「そうよ〜、まだテミンが10歳ぐらいの時かな〜」
A「覚えてないな〜」
オンマ「寒い時期で、中庭に木蓮が満開でね」
A「あ！」
オンマ「思い出した？」
A「うん！私が花を取ろうとしたけど取れなくて、テミンオッパが取ってくれたとこだ！」
オンマ「ふふっ…違うわよ、テミンは花を折るのを嫌がって、Aを抱き抱えて花を見せたのよ…」
A「え⁈…あ…そうだったっけ？」
オンマ「そうよ〜」
A「そっかぁ…」
オンマ「なんだかそれが印象的でね、また行きたいなと思っていたの」
A「うん、行ってみたい…」
アッパ「高速で40分位だ」
オンマ「A、少し寝てて良いわよ、あんた練習で疲れたでしょう？」
A「うん…」
後部座席に横たわり、目を閉じる。
午前中の練習で少し疲れていた私は、そのまままどろみの中に落ちて行った…
空に向かう様に凛と咲く白くて大きな蕾。
A「オッパ！Aに花取って〜」
TM「う〜ん」
少し困った顔をしたテミンオッパは私の足元にしゃがみ込むと、そのまま私の体を抱え上げる。
TM「せっかく綺麗に咲いてるから、折っちゃダメだよ」
A「え？」
TM「オッパが抱えててあげるから、このまま見よう？」
A「うん」
TM「綺麗な物は大切にしないと…」
A「…はい…オッパ…」
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作者名：sae | 作成日時：2016年11月15日 22時
