先生からのOK ページ20
Dr「Aちゃん、よく頑張りました」
午前の回診で訪れた先生は、そう言って優しく笑いかけると、私の頭をポンポンと撫でる。
テミンオッパも今日は午後からの撮影だから、寄り添うようにベッドの隣に腰掛けている。
A「先生？」
先生の突然の言葉に首を傾げる。
繋いだテミンオッパの手に少しだけ力が込められた。
先生「ギプスを取りましょう」
待ち焦がれていた言葉がかけられる。
A「ほんと⁈ほんとに取れるの⁈」
Dr「うん、朝撮ったレントゲンでも、しっかり骨がくっついてたから取れるよ」
ははっと笑いながら、先生からOKの返事が繰り返される。
TM「…A…頑張ったね…」
テミンオッパが肩を抱き寄せ、私の顔を覗き込む。
Dr「用意してまた来るから、Aちゃんはベッドに横になっててね」
そう言って先生は一旦病室から出て行くと、カートを押した看護師さんと一緒に戻って来た。
TM「先生⁈それで切るの⁈」
テミンオッパが先生の取り出した機械を見つめ、慌てた声をあげる。
…たしかに…そんな小型のチェーンソーみたいなので切られるなんて…怖すぎる…
Dr「これはギプスカッターと言って、怖そうに見えますが、実際には皮膚を切る事は出来なくて、回転した刃の摩擦熱でギプスを溶かして切るんです。肌には触れないようにしますし、万が一触れたとしても、皮膚を傷つける事も無いので安心して下さい。」
先生がそう言って今から行う処置について説明してくれたから、私とオッパはホッと顔を見合わせた。
Dr「Aちゃん、少し音がするのと振動があるけど、絶対に切れたりしないので、ジッとしててね。」
A「…はい…」
看護師さんが膝を押さえると、先生は足首側から、ギプスを切り始める。
ギーンっと響くカッターの音が病室に響く。
それから感じる振動と熱…。
テミンオッパが私に覆い被さり、耳を両手で塞いでくれる。オッパの手首を握りしめ、ぎゅっと目を閉じ、必死にその衝撃に耐えた。
カッターの音が止み、テミンオッパの両手が耳から離される。
緊張していた体の力を抜くと、どっと汗が噴き出した。
Dr「はい、力抜いてね。もうカッターは終わったからね。頭起こしても良いよ」
TM「A、大丈夫？」
テミンオッパが私の背中に手を回して、体を抱き起し、そのまま背中を支える様に私の横に腰掛ける。
看護師さんが左足を少し持ち上げ、支えると先生はギプスをパカっと上下に動かし、簡単に取り外した。
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作者名：sae | 作成日時：2016年11月15日 22時
