番外編（sideユイ) ページ18
KY「…〇〇駅のとこで良いの？」
ユイ「はい…ほんとにすみません…」
KY「良いよ…」
隣で運転するキーオッパは意外と無口。
曲がり角に差し掛かるたびに、ハンドルを操る手がシュルシュルと音を立てる。
…うわ…指長くて綺麗…女の人みたいに白い…
…腕も白くて細いけど、薄い筋肉が綺麗についてて、テレビで見るよりも逞しい…
…肩なんかはやっぱり男の人なだけあって、しっかりしてるし、意外と筋肉質なのかな？…
…横顔綺麗だなぁ…骨格が美しいわ〜…
KY「…ふふっ…」
信号待ちで止まったキーオッパが、ふいに笑い声をあげ振り向き、バチっと目が合う。
KY「穴開くよ〜」
そう言ってまたキーオッパは柔らかく笑う。
ユイ「ご、ごめんなさい‼」
…やばい！ジロジロ見すぎた！ってか恥ずかし過ぎる！
真っ赤になって俯くしかない私はそれから家までの約10分間ひたすら自分の膝を見つめてた。
KY「この辺？」
キーオッパの言葉に顔をあげると、家の近くの駅が見えて来た。
ユイ「あ！はい！もうほんと近くなのでここで大丈夫です！」
KY「オッケー」
駅の手前で車を道の端に寄せたキーオッパ。
ユイ「キーオッパ、ほんとにありがとうございました…」
そそくさと退散しようと、急いでシートベルトを外していると…
KY「ユイちゃん…ありがとね、Aのこと…」
ポンと頭にキーオッパの手が置かれ、黒目がちな切れ長の瞳で見つめられる。
ユイ「⁈い…いえ…Aとは親友だから…」
驚きながらもなんとか返事を返すと…
KY「ふふっ…良い子…」
頭に置かれたキーオッパの手が優しく私の髪を撫でる。
ユイ「…‼‼‼」
さっきからバクバク煩い胸の音がさらに高鳴り、音まで聞こえそうなほどだ…
…なにこれ…何でこんなに胸が…
ユイ「あ、ありがとうございました！お仕事頑張って下さい！」
焦りまくった私は、何とか車から降り、性急なお礼を伝えた。
キーオッパは少し驚いた表情だけど「またね〜」と手を振り走り去って行った。
…何これ⁈…何でいつまでも鳴り止まないの⁈…
鳴り続ける胸を押さえながら家までの道をゆっくりと歩いた。
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作者名：sae | 作成日時：2016年11月15日 22時
