隣のたぬきさん/星空舞子@ラ ページ9
「やいやい、ちびたぬきやい」
「あ?なに、ブス。」
「なんでもない。ただ名前呼んだだけ。あと、ブスじゃないから。」
「クソ野郎、なにもないなら話しかけんなよ張っ倒すぞ。それにブスだろ認めろよ。」
「……ふーん、あっそ。もういいし、ブスじゃないのに。」
そう言い、私は席を立つ。
浦田から少し離れた数秒後、「あぁもう!!」と叫ぶ。
近くの子がビクッとして、私のことを変な目で見てきたが、そんなことは気にしない。
そんな私の様子に気付いたのか、友人がこちらに向かってきた。
「またやってるの?浦田となんの縁かは分からないけど、いつもおなじ席なんだから。それを使ってもっといちゃいちゃすればいいのに。」
「その隣の席っていうのが、逆効果な気がする。付き合ってから最初の方は良かったけど、どんどん喧嘩をするだけになってきてるし……。」
私と浦田は、去年初めて同じクラスになってからずっと隣のまま。
場所が変わっても、隣はいつも浦田。
それに、しょうがないじゃないか。
こういう性格なんだよ。これでも頑張ってるんだぞ。
さっきだって、普通のカップルだったら、「もう!」「ふふっ、ごめんね?」みたいな会話をするでしょ!?
それからいちゃいちゃするんじゃないの!?
「いやいや、なに変な妄想してんの。」
「は!?変じゃないし!!」
「言っとくけど、そんなことが起きるのは少女漫画かなんかだからね。現実でおこるとしても……相当なバカップルじゃないと。」
そ、そうだけど……!!
「付き合い始めた当初だってそうだよ。本当にいちゃいちゃしたんじゃなくて、少し手繋いだり、お互いの家で遊んだだけでしょ?恋人繋ぎは?キスは?」
「は、はぁ!?そんなことしてないし、出来るわけないし……。」
「ほら!そんなことしてるからだよ!浦田もそうだけど、もう少しアピールしないと無理だよ!?」
そんなこと言ったって、出来ないことは仕方がないじゃん!!
「きっと私達は恋人らしいことも何もせず、別れて終わるんだ……。」
「いや、そんなことさせないしならないから。……はぁ、そういうと思って、Aでも出来る方法を考えてきたから。」
な、なんだって……!?
「ありがと!!やっぱ持つものは友だね!!」
「んな都合のいいことを……。まぁ、いいけどさ。で、その方法はというと……。」
「うんうん、なになに?」
「と、その前に、浦田に聞こえると駄目だから図書室に移ろ。」
「あ、うん。」
私達は図書室に向かった。
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千坂@センラー(プロフ) - 皆さんお疲れ様でした。すごく豪華メンバーで、憧れな人達ばっかで、つい次へ次へとみていました。そして気づけばあとがきでした。面白かったです。皆さんこれからもがんばって下さい。改めて、お疲れ様でした。 (2018年8月9日 20時) (レス) id: e4c0b2a914 (このIDを非表示/違反報告)
歩美(プロフ) - 皆さん!執筆お疲れ様でした。うらたさんの誕生日に、素敵なサプライズをありがとうございます!とっても面白かったです。 (2018年8月9日 12時) (レス) id: 91f91d2de7 (このIDを非表示/違反報告)
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