トビオからのエール ページ11
トビオと別れて戻ってきた病室にピロン、と鳴る音に反応して携帯を手に取った。
それはさっき別れたばかりのトビオからのもので。
再生ボタンを押すのと同時に動き出す映像に目を向けた。
「市橋、今日はさ楽しかったなめっちゃくちゃ。またどっか行こうぜ。
なんつうかさ今からお前に面と向かって言えないこと言うね」
いつもと違う様子のトビオに違和感を抱く。
「お前のさ体のことなんだけど、これまでみたいに歩けないつってさお前さっき言ってたんだけど俺お前がめっちゃくちゃリハビリ頑張ってんのもめっちゃ知ってるから。
…それはきっと零ちゃんも」
分かってる、分かってるそんなのは。
でも時々あいつの優しさが、苦しくてたまらない時がある。
──────── 自分への情けなさで溢れてしまう。
「だからさうーんとこれはねこれはだよ本当に同情とかじゃなくて今から言うのは。
俺さお前と友達になれて本当に良かったって思ってる。
変な言い方なんだけどさあの爆破事件無かったらさ俺達絶対こんな仲良くなれなかったと思うんだ。
ああもちろんもちろんだけど、お前が怪我してよかったなんてこれっぽっとも思ってないから。
ほんとに犯人はな犯人クソ野郎だよ。
きっと今頃じぶんがやったこと絶対後悔してるからさ」
トビオの言葉がひとつひとつ、真っ直ぐに心に突き刺さる。
誰かに友達になれてよかったなんて言われる日が来るとも思っていなかった。
「よしだからさ市橋、お前は絶対に幸せになれ！
零ちゃんとお前なら絶対、どんなことでも乗り越えられる二人になれるから。
えーと市橋くんの活躍と回復を祈願しましてエールを送りたいと思います」
フレフレと馬鹿みたいに飛び跳ねるトビオに思わず頬が緩んだ。
幸せを感じる度に、
胸を締め付けるのは、
自分への、無力感 ────────。
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新田あすか - 作者さん、ありがとうございました！最初は新田真剣佑さんが好きで、このお話を読もうと思ったんですが、話を読んでいるうちに、このお話に吸い込まれていきました！最後の方ですごく切なくなって泣いてしまいました…本当に面白かったです。これからも頑張ってください (2021年1月10日 0時) (
レス) id: d65c8b7d40 (このIDを非表示/違反報告)
やまもも - 続きがみたぁい！！です！ (2020年4月9日 9時) (レス) id: 0e426eb71e (このIDを非表示/違反報告)
みかな - 続きが見たぁぁぁいです！ (2019年11月17日 18時) (レス) id: 4b97b9501b (このIDを非表示/違反報告)
おもち - 泣いてしまいました。作者様はもしかしたらもう続きを書かないかもしれないけど、それでもここまでの作品を作っていただきありがとうございました。最後まで読んで、色んな気持ちでいっぱいになってます。本当にありがとうございました。 (2019年9月14日 17時) (レス) id: 4851cd86d7 (このIDを非表示/違反報告)
machuasu - すいません続きを… (2018年8月10日 20時) (レス) id: b964d8abaf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐伯
| 作成日時：2017年9月3日 22時
