今度こそ、さようなら ページ2
『っ蓮子、ごめん』
「、どうしたの」
『私、本当に最低で、みんな傷付けて、』
私のそんな思いも真っ直ぐな瞳で見つめてくれる。
真っ直ぐ、向き合ってくれる。
「私は、Aの親友だからそんな風に考えないで。ちゃんとAのこと教えて」
『っ、私、ずっと…ずっと、』
──── 増渕くんのこと、好きだった。
驚く蓮子の顔と流れる時間と、沈黙。
ついに、伝えてしまった。
一生伝えずに過ごしていこうと、私の心にだけに閉まっておこうとそう思っていたのに。
私は結局、負けてしまった。
そのプレッシャーに、その、苦しみに。
「…そっ、か」
『…ごめんね、本当に』
「なんで謝るの？」
予想外の蓮子の発言に「へ？」と聞き返すと蓮子はフッと微笑んで私から体を離した。
「人を好きになる、っていい事だと思うな」
『…』
「…なんて言ってるけど、本当はすごく驚いてる」
蓮子はそう言って笑ってくれた。
また涙で視界が霞む。
「実は私もね、羨ましかったんだAのこと」
『、っ』
「いくら幼馴染みでもね壁なんていくらでもあって、どれだけ頑張ったって越えられない壁をAは簡単に越えちゃうんだもん」
ねえ、蓮子。
私を羨ましむ所なんて何もないんだよ。
私は、増渕くんの心にある孤独にしか入ることは出来なかった。
増渕くんの幸せの先にはきっと蓮子がいて。
増渕くんの暗闇の先にはきっと、私がいる────。
まるで太陽と月みたいに、決して交わることのないような。
「だからAに嫉妬したときも、あったの」
そんなの、私はずっとあったよ。
それに気づかないふりをしていただけで。
「でもこんなことでAとの友情終わらせたくないからさ」
あれからたくさん、気付いたことがある。
市橋くんのことが好きなこと。
でも増渕くんのことも忘れられないこと。
蓮子の恋心は、ただ増渕くんにだけ真っ直ぐに向かっていること。
──── 誰からも応援されない恋は、こんなに辛いということ。
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新田あすか - 作者さん、ありがとうございました！最初は新田真剣佑さんが好きで、このお話を読もうと思ったんですが、話を読んでいるうちに、このお話に吸い込まれていきました！最後の方ですごく切なくなって泣いてしまいました…本当に面白かったです。これからも頑張ってください (2021年1月10日 0時) (
レス) id: d65c8b7d40 (このIDを非表示/違反報告)
やまもも - 続きがみたぁい！！です！ (2020年4月9日 9時) (レス) id: 0e426eb71e (このIDを非表示/違反報告)
みかな - 続きが見たぁぁぁいです！ (2019年11月17日 18時) (レス) id: 4b97b9501b (このIDを非表示/違反報告)
おもち - 泣いてしまいました。作者様はもしかしたらもう続きを書かないかもしれないけど、それでもここまでの作品を作っていただきありがとうございました。最後まで読んで、色んな気持ちでいっぱいになってます。本当にありがとうございました。 (2019年9月14日 17時) (レス) id: 4851cd86d7 (このIDを非表示/違反報告)
machuasu - すいません続きを… (2018年8月10日 20時) (レス) id: b964d8abaf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐伯
| 作成日時：2017年9月3日 22時
