8 ──── 凍死 ページ8
「この人だけ身元不明なんだよね」
「名無しのななこちゃん」
「口内に傷はなし。
虫歯も放置されてる。
二十歳前後ってところかな」
パッと見た感じも一人だけやけに若いと違和感を感じた。
志願者同士が集まって、全員他人同士ならおかしな話ではないのかも。
「そんなに若かったか」
「若くして人生に絶望してジサツ。
よくある話です」
「そうあっちゃ困ります」
「遺書も寂しいもんです。
帰る家はない
心配する人もいない
私が死んでも誰も気づかない
あっという間に忘れられる」
こんなに若いのに、そう思うと胸が締め付けられた。
生きている時のことは分からない。
だけど死んだ時でさえ、死因も原因も誰にも知られないなんて。
──── そんなことあっちゃいけない
「…い、おい黛」
『、っはい』
「何ぼーっとしてんだ。
縫合終了、あとは任せた」
『あ、お疲れ様でした』
だるそうに部屋から去っていく中堂先生の背中に軽くお辞儀をする。
「毛利さん、心臓見てください」
「なんですかジサツの証拠？」
毛利さんに続いて遺体に近付くと、ふとメガネくんと目が合った。
慌てて逸らされたけれど。
『これ、右心室が暗い』
「そう。
左心室が赤いのに比べて右心室が暗い。
左右の色調差が明瞭です」
「一酸化炭素中毒だよね」
まさか、これって。
「凍死です」
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あんず。 - 総コードじゃなくて、水の硬度じゃないですか？あと、亜州酸じゃなくて、亜硝酸だと思います。貯水地に含まれる成分なので (2018年1月28日 17時) (
レス) id: 7a53a4dd7e (このIDを非表示/違反報告)
杠(プロフ) - 今、アンナチュラルにどマりしているところ、の小説は嬉しいです！と少し気になったのです美澄ミコトではなく、三澄ミコトだと思います！！これからも楽しみにしています！！ (2018年1月28日 10時) (レス) id: 7c452d0c7b (このIDを非表示/違反報告)
佐伯(プロフ) - ポメさん» ありがとうございます！とっても嬉しいです（；_；）これからもよろしくお願いします！ (2018年1月25日 21時) (レス) id: b9ebf906a3 (このIDを非表示/違反報告)
佐伯(プロフ) - 若菜さん» コメントありがとうございます！すごく嬉しいです！この先も頑張りますのでぜひ楽しんで読んでください！！ (2018年1月25日 21時) (レス) id: b9ebf906a3 (このIDを非表示/違反報告)
ポメ - すごい文才だなぁ。凄いなぁ。面白いです∧∧ (2018年1月24日 0時) (レス) id: 4385b4fd2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐伯
| 作成日時：2018年1月20日 0時
