市橋の思いは俺にとって 次から移行します ページ50
『今日は帰るね』と悲しそうに歩くAちゃんを見送った後、市橋の元へ向かった。
────決めたんだ、俺は生まれ変わるって。
でも病室にその姿はなかった。
「市橋さんならさっき屋上向かってましたよ」という看護師さんからの話に、少しだけ足が速まる。
いつもの俺で、いつも通りの俺のままで。
市橋はいつも一人で屋上に通っていた。
後をつけて覗き見ると松葉杖を放り投げて、覚束無い足でゆっくりと歩こうとする市橋がいた。
まあそんな上手く歩けるはずもなく案の定すぐ転んでいたけど。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「なあ、何でそんなに歩きてえの？」
「ああ？」
「いやそうやってリハビリの時以外でも必死こいてさ」
「──── あいつの隣、もう一回歩きてえから」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
そんなあいつの思いに、俺が勝てるわけもない。
そんなこととっくに分かってる。
「おっしゃー！マジでデート行くことになりましたー！」
そうだ、これでいい。
見えなくなるように蓋さえしてしまえば。
「なあトビオ、お前蓮子どうなの？」
「どうって普通だよ。てかそっちこそどうなのよAちゃんと。何ヶ月？」
きっともう市橋のものに、なってしまったんだろう。
そんなこと今更言っても仕方ねえけど。
「いや、付き合ってねえよ」
一瞬、全思考が停止した。
「は？」と思わず口からこぼれる。
──── あんな風に抱き合っておいて付き合ってないだなんて。
「あんなに毎日お見舞い来てくれてんのに？そんなことある！？でもお前告ったんだろ？」
「ああ」
振られた、ってこと、なのか ────？
でもだったら毎日会いになんて来ないだろうし、あんな満更でもない顔、しねえよな。
「それで、返事は？」
「…分かんねえ」
「んだよそれ！ちゃんと聞けよ返事くらい」
──── 何なんだろうな、俺らの関係って。
そう市橋がぽつりと呟いた。
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狛犬のリサ(プロフ) - あーあ、やっぱり夢主はトビオじゃなくて市橋かぁ…けっ…作者は最高でドラマも最高だったし…トビオ落ちだったらもっともーっと最高だったのになぁ (2019年1月22日 2時) (
レス) id: 3d96b1b6a9 (このIDを非表示/違反報告)
みい - いつも楽しみにしてます！トビオおち分岐ありがとうございます！トビオと結ばれて欲しいと思ってたので嬉しいです (2017年9月27日 16時) (レス) id: 788e2e4591 (このIDを非表示/違反報告)
はる坊(プロフ) - この前はトビオオチが見たい！とコメントさせていただきましたが、正直私もどっちも見たいです。どちらも書いてくださるというお話すごく嬉しいです！！頑張ってください！！ (2017年9月2日 22時) (レス) id: 0e6de27daf (このIDを非表示/違反報告)
前田ちかね(プロフ) - 市橋くんオチがいいです！ (2017年9月2日 22時) (レス) id: f96c4eb485 (このIDを非表示/違反報告)
emu(プロフ) - 今日の回は昼顔っぽくて面白かったです！めっちゃ好きですこの感じの＞ω＜ (2017年9月2日 1時) (レス) id: 7e03b267ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐伯
| 作成日時：2017年8月8日 18時
