市橋の本気と思い ページ9
『…どう、かな？』
「美味い」
『本当に！？良かった』
ご飯食べていかない？なんて言ったはいいものの私はそんなに料理も得意じゃないし、冷蔵庫を漁って見つけた麻婆豆腐の元を使ってなんとか形にした。
男ならこういうガッツリ系の方がいいだろうっていう勝手な想像。
『大したもの作れなくてすみません』
「…お前が作ったものなら何だって美味いよ」
そう言って何故か麻婆豆腐を見て微笑む市橋くん。
…そういえば初めて見たかもしれない。
市橋くんが笑った顔なんて見たことがなかった。
そんな彼の笑顔にドキッと胸が揺れる。
「…どうした」
『へ？あ、何でもないです』
市橋くんに言われるまでずっと見つめてしまっていたらしい。
俯いた彼の耳が、少し赤い気がする。
いや、きっと気のせいだろうけど。
「ごちそうさま」そういった彼は水を一気に口に含んだ。
かなりの量を出したのにこんなに早く完食してしまうなんて、市橋くんも普通の男子高校生なんだ。
「さっきのやつ、仲良いのか」
『増渕くんですか？』
「…ああ」
『蓮子の幼馴染みですし、まあそれなりには』
「…そうか」
一瞬だけ、またさっきの苛立った市橋くんが現れた気がする。
『知り合いなんですか？増渕くんと』
「別にそんなんじゃねえよ」
『でも昨日のって、』
「…あんなのはただのおもちゃみたいなもんだ」
『おもちゃ、って』
矢波高の人たちが私たち凡下高にちょっかいをかけてることくらい知ってるけど、
私の大切な人たちを悪く言うのは許せない。
『…じゃあ私も、市橋くんにとっては、おもちゃなんですか？』
「……」
『ただの使い捨てとしか、思ってないんですか』
「、違えよ」
『っ、』
「俺は本気で、お前と付き合いたいと思ってる」
最低なやつ。
ずっとそう思っていたはずなのに、
本当の市橋くんは
一体どれ？
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もくもく(プロフ) - はぁぁぁ、、だいすきです。。。市橋くん、、 (2019年6月25日 19時) (
レス) id: 10c5a3095c (このIDを非表示/違反報告)
狛犬のリサ(プロフ) - 素晴らしい小説なんですけど、夢主を見ていくとだんだんトビオの事人として好きで恋愛対象ではないと思ってしまいますねこの回は (2019年1月22日 2時) (レス) id: 3d96b1b6a9 (このIDを非表示/違反報告)
佐伯(プロフ) - 優羽さん» コメントありがとうございます！本当に嬉しいです！（；_；）続編に移行することになりましたので是非ご覧下さい！！ (2017年8月8日 18時) (レス) id: b9ebf906a3 (このIDを非表示/違反報告)
佐伯(プロフ) - あかねこっこさん» コメントありがとうございます！嬉しいです（；_；）今日４話放送ですね！また更新するのでぜひ楽しみにして頂ければ！！ (2017年8月8日 18時) (レス) id: b9ebf906a3 (このIDを非表示/違反報告)
優羽(プロフ) - 初めまして。更新されると毎日読んでます。続きが読みたいです。更新待ってます。 (2017年8月7日 11時) (レス) id: e3622875d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐伯
| 作成日時：2017年7月24日 0時
