私の気持ちはなに？ ページ44
どうしよう、息が切れる。
酸素が体を回らなくて足がフラフラする。
でもこの足を止めるわけにはいかない。
一刻も早く、家に帰らないと。
市橋くんは車椅子なんだから、頑張れば彼より先に自宅につくかもしれない。
( でも、いざ市橋くんに会ったらなんて言えばいいんだろう )
彼の中に渦巻く復讐心は私には理解出来ないほど大きいものなんだろう。それくらいは分かっているつもり。
それを私に止める力なんて、あるんだろうか。そんな権利があるんだろうか。
でも一つだけ言えるのは、私は市橋くんも増渕くんも、失いたくない。
ワガママだけど二人は私にとってすごく大きな存在だから。
好きだとか嫌いだとかそんなことじゃない。
…そんな言葉を使ってしまったら、今度こそ私は決めないといけない。
増渕くんへの思いを貫くのか、市橋くんの思いを、受け取るのか。
ただそれから、逃げたいだけだ。
もうすぐ、その角を曲がったらもう家に着く。
『っ市橋くん、！』
角を曲がった時、視界に入ったのは私の家の前で立ち尽くす市橋くんと周りの二人。
私の声に驚いた様子で「A、何で…」と呟いた市橋くん。
息を荒らしたまま、ゆっくり彼に近付いた。
『正樹くんに、聞きました』
「…あいつ」
『正樹くんは悪くないです、私が無理やり聞いたんです』
「…」
私がそう言うと険しい顔で下を見つめたまま何も言わなくなった。
『…どうする、つもりですか』
「……」
『っ誰も、復讐なんて、望んでないと思います！』
自分でも驚くぐらいの大声が出た。
市橋くんの前でこんなに感情的になるなんて、初めてだった。
ああもう、自分でもよく分からないよ。
好きっていう感情なのかも分からない。
ただ私は、誰にも傷ついて欲しくないだけなのに。
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もくもく(プロフ) - はぁぁぁ、、だいすきです。。。市橋くん、、 (2019年6月25日 19時) (
レス) id: 10c5a3095c (このIDを非表示/違反報告)
狛犬のリサ(プロフ) - 素晴らしい小説なんですけど、夢主を見ていくとだんだんトビオの事人として好きで恋愛対象ではないと思ってしまいますねこの回は (2019年1月22日 2時) (レス) id: 3d96b1b6a9 (このIDを非表示/違反報告)
佐伯(プロフ) - 優羽さん» コメントありがとうございます！本当に嬉しいです！（；_；）続編に移行することになりましたので是非ご覧下さい！！ (2017年8月8日 18時) (レス) id: b9ebf906a3 (このIDを非表示/違反報告)
佐伯(プロフ) - あかねこっこさん» コメントありがとうございます！嬉しいです（；_；）今日４話放送ですね！また更新するのでぜひ楽しみにして頂ければ！！ (2017年8月8日 18時) (レス) id: b9ebf906a3 (このIDを非表示/違反報告)
優羽(プロフ) - 初めまして。更新されると毎日読んでます。続きが読みたいです。更新待ってます。 (2017年8月7日 11時) (レス) id: e3622875d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐伯
| 作成日時：2017年7月24日 0時
