市橋くんに騙される ページ43
『市橋くん、用ってな…、正樹くん？』
「ごめんねAちゃん、いきなり」
朝携帯の振動音で目が覚めた。
思ったより近くにいた増渕くんに驚いたけど、起こさないようにそっとベッドから抜け出す。
電話の相手は市橋くんで「今から来れるか」と途端に言われて『うん大丈夫ですけど』と答えた直後にまたすぐ電話を切られてしまった。
疑問を抱えたまま病院について市橋くんの病室を開けると、そこで待っていたのは想像していた人とは違う人がいた。
『…市橋くんは？どこか行ったの？』
「…ごめん、」
私の疑問にも答えずに俯いたまま、ただ「ごめん」としか言わない正樹くんに違和感を抱いた。
病室に市橋くんの姿はない。
あるのは布団がクシャクシャになったままの誰もいないベッドだけだった。
『何で、謝るの？』
「…そ、れは、」
『っ、私、市橋くん探してくる』
「っ待って！」
「ちょっとコンビニに行っただけだから」と呟いた正樹くんに何故か嫌な感じがした。いつもと違う違和感というか、何か嫌なことが起こりそうなそんな感じ。
自分でも何でかはよく分からないけど、このままここにいてはいけないと、脳がサイレンを鳴らしているような。
『ねえ正樹くん、本当のこと言って』
「っ、」
『…お願い』
深く息を吸った正樹くんは大きくため息をつくと、じっと私の目を見つめた。
「…市橋くんは、Aちゃんの家に行った」
『っ、え？』
「俺昨日見ちゃったんだ。Aちゃんと増渕トビオが、一緒にいたところ」
全身の血の気が一気に引いた。
まずい、これは、本当に。
増渕くんが、危ない。
そう思った時には走り出していた。
「Aちゃん！」と叫ぶ正樹くんの声も聞こえないまま、私は走り続けた。
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もくもく(プロフ) - はぁぁぁ、、だいすきです。。。市橋くん、、 (2019年6月25日 19時) (
レス) id: 10c5a3095c (このIDを非表示/違反報告)
狛犬のリサ(プロフ) - 素晴らしい小説なんですけど、夢主を見ていくとだんだんトビオの事人として好きで恋愛対象ではないと思ってしまいますねこの回は (2019年1月22日 2時) (レス) id: 3d96b1b6a9 (このIDを非表示/違反報告)
佐伯(プロフ) - 優羽さん» コメントありがとうございます！本当に嬉しいです！（；_；）続編に移行することになりましたので是非ご覧下さい！！ (2017年8月8日 18時) (レス) id: b9ebf906a3 (このIDを非表示/違反報告)
佐伯(プロフ) - あかねこっこさん» コメントありがとうございます！嬉しいです（；_；）今日４話放送ですね！また更新するのでぜひ楽しみにして頂ければ！！ (2017年8月8日 18時) (レス) id: b9ebf906a3 (このIDを非表示/違反報告)
優羽(プロフ) - 初めまして。更新されると毎日読んでます。続きが読みたいです。更新待ってます。 (2017年8月7日 11時) (レス) id: e3622875d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐伯
| 作成日時：2017年7月24日 0時
