正樹くんと缶 ページ30
『…わけ分かんない』
なんで私は今公園のブランコに座っているんだろう。
さっきから携帯には着信が山のようにあって、大半が正樹くんだけどその中で一つだけ " 市橋哲人 " の名前があった。
市橋くんの言う凡下高の連中におそらく私は入っていないだろう。
さすがの彼でもそんなに理不尽な事はしないはずだ。
思い当たる節とすれば…、爆発事故のことだけ。
一番納得できる理由としてはテレビで放送されていた犯人の顔を市橋くんが見て、それで犯人が分かった、というところだろうか。
もしそうだとしたら市橋くんの行動が間違っているとは言えない。
手段はいけないことだとしても。
「…Aちゃん？」
『…っ！』
「っ待って！逃げないでいいから！俺は何にもしねえよ」
『正樹くん、』
いきなりそばから私を呼ぶ声が聞こえて、俯いていた顔を上げると正樹くんの姿があった。
まずい、これは本当に。
今私が走って逃げたところで恐らく捕まってしまうだろう。
でも私には逃げる以外の選択肢はなかった。
「聞いちゃってた、よね」
『……』
「俺も詳しくは聞いてないからよく分かんねえんだけどさ」
『……』
「あ、そうだこれAちゃんのだよね？」
そう言ってどこからか私が買ったコーラとオレンジジュースの缶を取り出した。
それももう、用無しになってしまったけど。
『でもそれ、』
「Aちゃんから市橋くんに渡してあげて」
半ば無理やり私の手に二つの缶を持たせた。
私に投げ出された缶はもうぬるくなってしまっている。
市橋くんに渡す、ってことはもう一度彼に会うってことだ。
私はただ両手に持つ缶を見つめることしかできなかった。
〜 ２話 ｅｎｄ 〜
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もくもく(プロフ) - はぁぁぁ、、だいすきです。。。市橋くん、、 (2019年6月25日 19時) (
レス) id: 10c5a3095c (このIDを非表示/違反報告)
狛犬のリサ(プロフ) - 素晴らしい小説なんですけど、夢主を見ていくとだんだんトビオの事人として好きで恋愛対象ではないと思ってしまいますねこの回は (2019年1月22日 2時) (レス) id: 3d96b1b6a9 (このIDを非表示/違反報告)
佐伯(プロフ) - 優羽さん» コメントありがとうございます！本当に嬉しいです！（；_；）続編に移行することになりましたので是非ご覧下さい！！ (2017年8月8日 18時) (レス) id: b9ebf906a3 (このIDを非表示/違反報告)
佐伯(プロフ) - あかねこっこさん» コメントありがとうございます！嬉しいです（；_；）今日４話放送ですね！また更新するのでぜひ楽しみにして頂ければ！！ (2017年8月8日 18時) (レス) id: b9ebf906a3 (このIDを非表示/違反報告)
優羽(プロフ) - 初めまして。更新されると毎日読んでます。続きが読みたいです。更新待ってます。 (2017年8月7日 11時) (レス) id: e3622875d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐伯
| 作成日時：2017年7月24日 0時
