増渕くんとふたり ページ11
「で、どうなったのよ市橋とは！」
『本当に何も無いって』
「勝手に二人で抜け出しといてそれはないでしょ。ねえ蓮子」
「そうだよA」
「しかも朝帰りなんてさ何も無い訳ないよねー？」
『だから本当に何もなかったんだって』
「だってあの市橋だよ？そんなことある？」
そんなに市橋くんは軽い男だと思われているんだろうか。
この件があるまで彼のことを気にしたことなんてなかったから、分からない。
( そういえば市橋くんのことほとんど知らないな )
「、Aちゃん、ちょっといい？」
「トビオ？どうしたの」
『…全然いいけど、』
朝にあんなことがあったばかりだから少し、気まずい。
教室を出て人気のない廊下へと出た。
前を歩く増渕くんの背中を追っていく。
『皆に言わないでくれてありがとう』
「いや俺の方こそ、朝はありがとう」
蓮子と由佳には問い詰められて全てを話したけれど、他の人にまで私と市橋くんのことは広まっていなかった。
きっと増渕くんが気を使ってくれたんだと思う。
『それで、なにか話？』
「うん、まあ…」
恐る恐るという感じで「…市橋とさ付き合ってんの？」と尋ねられた。
増渕くんだってきっと市橋くんのことが怖いに決まってる。
もし市橋くんに告白されたなんて言ったら今後に差し支えるだろう。
…それだけは、ごめんだ。
『そ、そんな訳ないじゃん！ただの、友達っていうか、その…』
増渕くんの眉間にシワが寄った。
…そうだ、私は増渕くんの前で市橋くんに抱きついてしまったんだ。
そんなの傍から見たら恋人同士だと思われるのなんて当たり前で。
『訳あって仲良くしてる、だけだから』
ああなんで私こんなに必死なんだろう。
市橋くんには申し訳ないけど、もし今増渕くんと市橋くんどちらを選ぶか聞かれたら、
私は間違いなく増渕くんを選ぶと思う。
「そっか、でも気をつけなよ。さすがの市橋でも女の子に手は出さないと思うけど…」
『大丈夫だよ！きっとそんなに悪い人じゃないと思うんだ』
「…Aちゃんは、あいつのこと何も知らないだけだよ」
そう告げると増渕くんは「じゃあまた」と来た道を戻って行ってしまった。
分からない、分からないけど、まだ伝えなきゃいけないことがある気がして『待って』と追いかけようとした。
でも廊下で伊佐美くんやマルくんと楽しそうにじゃれあっている姿に何も言えなくなった。
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もくもく(プロフ) - はぁぁぁ、、だいすきです。。。市橋くん、、 (2019年6月25日 19時) (
レス) id: 10c5a3095c (このIDを非表示/違反報告)
狛犬のリサ(プロフ) - 素晴らしい小説なんですけど、夢主を見ていくとだんだんトビオの事人として好きで恋愛対象ではないと思ってしまいますねこの回は (2019年1月22日 2時) (レス) id: 3d96b1b6a9 (このIDを非表示/違反報告)
佐伯(プロフ) - 優羽さん» コメントありがとうございます！本当に嬉しいです！（；_；）続編に移行することになりましたので是非ご覧下さい！！ (2017年8月8日 18時) (レス) id: b9ebf906a3 (このIDを非表示/違反報告)
佐伯(プロフ) - あかねこっこさん» コメントありがとうございます！嬉しいです（；_；）今日４話放送ですね！また更新するのでぜひ楽しみにして頂ければ！！ (2017年8月8日 18時) (レス) id: b9ebf906a3 (このIDを非表示/違反報告)
優羽(プロフ) - 初めまして。更新されると毎日読んでます。続きが読みたいです。更新待ってます。 (2017年8月7日 11時) (レス) id: e3622875d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐伯
| 作成日時：2017年7月24日 0時
