人見知り窪田とツンデレ彼女

歯ブラシ 生田斗真 ページ37

『…また来たの』

「第二の我が家ですからねー」


仕事から帰るとなぜか付いている家の灯り
まさかね、なんて半信半疑で帰ってみると案の定ソファーに寝転がり「腹減った」なんて呟く奴がいた


『斗真のせいで食費がかさむんですが』

「俺のためなら安いもんでしょ」

『元彼ならお金ぐらい入れなさいよ』

「お、ついに認めた？元彼だって認めた？」

『私が好きだったのは中津秀一ですから』

「うわーショックだわ斗真くん」


大したショックも受けてないのか
「ねえ腹減ったー」なんて子供みたいに不貞腐れている
仕方なく食材を取り出して用意をしていると、いつの間にか現れた斗真が背後に立っていた


「そういえば洗面所にあった青い歯ブラシ無くなってんじゃん」

『ああ、うんそう』

「なに、将暉と喧嘩でもしたの」

『別にそんなんじゃないけど…』

「なーんだ」


何故かつまらなそうな顔で背を向ける斗真に後ろから呟いた


『…彼氏、出来た』

「、は？」


パチパチと何度も瞬きをすると眉間にシワを寄せている


「だから歯ブラシ捨てたわけね」

『捨てたわけじゃないよ』


いくら私の部屋に置いているからと言って私のものなわけじゃない
勝手に捨てるなんて、そんなこと出来ないし
何故か寂しかった

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