ミンギュとジスのため息 ページ32
( ホシ )
はあ、とそばでため息が聞こえる。
横目で隣を見れば携帯を見たままソファーに座り込むミンギュ。
…あ、またため息ついた。
ちらっと携帯を覗くと見覚えのある名前。
HS「…電話すればいいじゃん」
MG「や、やだなーそんなんじゃないよ」
ビクッと肩を揺らしたミンギュはそう言うとまた携帯とにらめっこ。
そしてまた、はあ、とため息。
SG「15回目」
MG「え？」
SG「ミンギュヒョンのため息の数です」
興味無さそうに本を読んでいたスングァンも、やっぱり気にしていたようで。
HS「なんで電話しないの」
MG「…」
HS「今はスンチョリヒョンだっていないんだし」
仮にもスンチョリヒョンの幼馴染な訳だし、ヒョンの前では気を使うのも分かる。
俺から見たらヒョンだってヌナのことを本当に大切にしているから。
それが、恋愛的な意味かは分からないけれど。
ミンギュもそういう所は鋭いからきっと気付いているだろう。
頭を抱えて悩んでいるミンギュにこっそり近付いて手を伸ばすと、発信ボタンを押してやった。
MG「っ、！
ちょっとヒョン！何やってるんですか、！」
HS「ほら早く出ねえと切られても知らねえぞ」
慌てて携帯を耳に当てるミンギュはいかにも緊張した顔つきだった。
-------------
( ジス )
僕の目から流れた涙を拭ったAがすごく愛おしくなって、また抱き締めてしまった。
それにAも抵抗はしない。
分かってるつもり、それがAにとってはただの優しさだってことは。
分かってるのに…
どうしてこんなに寂しさが襲うんだろうか。
『よし、せっかく来たんだしご飯食べて行ってよ』
JS「ありがとう」
ジスってチキン好きだったよね？そう言いながら台所に戻っていく後ろ姿を見つめる。
…誰かをこんなにも欲しいと思ったのは、初めてだった。
スンチョルとジョンハンに取られたくなくて、でもみんなの中を壊す勇気もなくて。
小さくため息をついた時、隣で携帯のバイブが鳴った。
目をやるとAの携帯が光を放っている。
JS「A、電話…っ、」
『、あ、ありがとう。
…ごめんちょっと出てくるね』
Aは携帯を手にするとそそくさと部屋から出て行ってしまった。
ガチャンとドアの閉まった音だけが静かに響く。
──── 気付きたくなんてなかった。
着信 민규
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くま - めちゃくちゃ面白いです、超楽しみにしてます！！！ (2018年6月3日 21時) (
レス) id: 5637657b9e (このIDを非表示/違反報告)
佐伯(プロフ) - りおさん» コメントありがとうございます！嬉しいです（；_；）これからも頑張ります！！ (2018年6月3日 18時) (レス) id: 2d039b8cab (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - コメント失礼します！話の雰囲気好きすぎます！！更新頑張ってください！ファイティン！！ (2018年6月2日 0時) (レス) id: 52ba374a9e (このIDを非表示/違反報告)
佐伯(プロフ) - イチさん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉、、これからもがんばります！ (2018年5月24日 8時) (レス) id: 2d039b8cab (このIDを非表示/違反報告)
イチ(プロフ) - callcallacllの世界観を壊さずにすんなり話に入っていけて、とても面白かったです！更新楽しみに待ってます(*^o^*) (2018年5月21日 16時) (レス) id: 783077e291 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐伯
| 作成日時：2018年5月19日 15時
