ＳＶＴの姫 ~ yellow rose ~

ジスはジャイアン ページ28

お邪魔します、と部屋に入ったジスはキョロキョロと周りを見回す。

どうせなら綺麗な時に来てくれればよかったのに。


『…とりあえずお風呂入って』

JS「へ？」

『風邪引くから』

JS「大丈夫そんなにヤワじゃないよ」

『いいから早く！』



戸惑うジスの背中を押してお風呂場に突っ込むとそのまま扉を閉めた。

急いでリビングに戻ると慌てて部屋を片付ける。


『あ、服どうしよう』



お風呂に入れたはいいものの濡れた服をもう一度着せるわけにもいけないし。

この天気じゃ洗濯したって乾きそうにもない。


まだ開けていないダンボールを探すと男物の服が何着か入っている。

それをお風呂場の前に置いた。



そういえばジスってコーヒー飲めたっけ？

そんなことを考えながら台所に立つ。



JS「シャワーありがとう、これ佑人の服だよね？」

『うん、サイズちょっと大きいけど』


首からタオルをかけたジスが髪を拭きながら戻ってきた。



『今コーヒー出すから座ってて』

JS「うん、ありがとう」

『…なんで、ここにいたの？』

JS「ちゃんと謝りたくて。

喧嘩別れみたいになっちゃってたから」



カップをジスの前に置くとありがとう、と微笑んだ。



『…どういうこと、佑人が死んだのは自分たちのせいって』

JS「ちゃんと話すよ、Aには」



ジスはゆっくり目を閉じると深呼吸をした。

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