ＳＶＴの姫 ~ yellow rose ~

ジェントルマンなジョンハン ページ27

『…変わったね、ハニ』

JH「え？」

『今までだったら絶対俺のチームに入れとかスンチョルとジスには近づくなとか言いそうなのに』



ハニは花束をお墓の前に置くと手を合わせてゆっくり目を閉じた。



JH「言ってほしいの？」

『そういうわけじゃ、』

JH「まあスンチョルはきっと思ってても言わないだろうし、ジスも大人ぶってるけどそういうところはワガママだから」



ゆっくり立ち上がったジョンハンと目が合う。



JH「俺までそんなこと言ったら逃げ場ねえだろ」

『…ハニ』



私を見上げて笑ったハニが立ち上がると一瞬にして私より高くなる。

ちょっとかっこいいと思えたのはお墓まで持っていこう。



JH「なに、惚れた？」

『っはあ？！』




…前言撤回。
やっぱり彼はジャイアンです。




────────────────


新居はここからそう遠くない所にした。

なのにハニと別れた直後に降り出した雨でもうびしょ濡れ。


やっとの思いでマンションの部屋の前につくとその入り口に座り込んでいる人の姿。


俯くの黒髪からは水が滴っていて両手に顔を埋めているけど、それが誰かなんてすぐ分かった。



『…ジス？』



私のその声に顔を上げた人はやっぱりジスで。

すぐに駆け寄った。



『何やってんのびしょ濡れじゃん！

風邪ひいちゃう、』



その直後ジスに引き寄せられた私は前のめりになって、そのまま抱きしめられる。

冷たくて薄いジスの体が触れる。

最近、抱きしめられること多くない？



JS「Aに謝りたくて」

『っ、何でもいいけど風邪ひいちゃうって』

JS「…許してもらえるならそれくらいいいよ」

『ダメだって何言ってんの』



無理やり体を離すと、まるで捨てられた子犬のように切ない目で見つめるジス。

ピクリとも動かない彼はここから動く気は無いとでも言いたいのか。



いいから早く家入って、と言えばあっさりと立ち上がった。

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