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防犯カメラに映るのはちょうどマンホールのあたりでスリップしてしまった佐野さんの姿だった。
「…この時？」
『──── うん』
この時に、椎骨動脈に傷が出来てしまった。
「もし休みが取れて検査入院していれば、
損傷を見つけることが出来たかもしれない」
倒れたまま痛みに顔をしかめる佐野さんだけが画面に映ったまま、
沈黙が私たちを包んだ。
たくさんの人が幸せな気持ちで花火を見ているその中で、
佐野さんはひとり、
──── ずっと痛みと戦っていたんだ。
佐野さんは一体どんな気持ちで、この花火を見上げていたんだろう。
血だらけになりながら家族が待つ家へと帰るとき、何を考えいたんだろう。
残された私たちには、決して知り得る事は出来ない。
────────────────
「イタリアの友達に聞いたんだけどさ、労働って罪なんだって。
人は皆罪人で、罪を罪をあがなう為に働いているって。
だから一分でも早く仕事を終わらせて、早く帰る」
「なんかそれ聞いちゃうと働きたくなくなりますね」
「まあ何が幸せか分かんないけどね」
『私は幸せだよ。
こんな仕事だけど誰かの為になってるって思えたら、それだけで。
それにこうやって仲間たちと過ごせてるのも』
ミコトと久部くんと三人で歩く帰り道。
私のその一言に二人が微笑んでくれたのを感じた。
じゃあまた明日、と別れようとした時「あの三澄さん、黛さん」と久部くんに呼び止めれる。
「あの、どうして働いてるんですか？」
「生きるため」
「即答っすね」
『…私は、
──── 誰かの為に生きれてるんだって
そう思いたいから、かな』
こんな私でも、誰かの為になっているんだと。
誰かの為に生きれているんだと。
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ゆう - 素敵な小説ありがとうございます。続編楽しみに待っております！ (2018年3月17日 16時) (
レス) id: e85ad242c1 (このIDを非表示/違反報告)
あーぽん - めっちゃ面白いです！木林さん好きなので次がきになります！ (2018年3月17日 12時) (レス) id: 54c07bea64 (このIDを非表示/違反報告)
佐伯(プロフ) - アイリスさん» はじめまして、ご指摘ありがとうございます。誤字を訂正させて頂きました。お手数お掛けしすみません。これからも檸檬のなみだを宜しくお願いします！ (2018年3月4日 16時) (レス) id: 2d039b8cab (このIDを非表示/違反報告)
アイリス(プロフ) - はじめまして。いつも楽しく読ませていただいています。誤字報告、ご指摘をさせていただきます。8の「激を飛ばす」は「檄を飛ばす」が正しいです。また「檄を飛ばす」という表現よりも「不満を漏らす/零す」が適切だと思います。出すぎた真似でしたらすみません。 (2018年3月3日 22時) (レス) id: 2bfa349df7 (このIDを非表示/違反報告)
佐伯(プロフ) - にしじまさん» 初めまして！コメントありがとうございます（；_；）なんて嬉しいお言葉、、がんばります！！！ (2018年3月2日 13時) (レス) id: 2d039b8cab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐伯
| 作成日時：2018年2月20日 23時
