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「だから代理証人なんて引き受けるなと言ったんだ」
ミコトはじっと中堂先生を睨みつけた。
「元はといえば中堂さんが訴えられたから」
『確かにそうですよ中堂先生』
「訴えられてなくても俺は引き受けない。
お前はいちいち迂闊なんだ。
だから気絶なんてさせられるんだ。
おまけに黛はトラックごと水に沈められる」
…なんでこの人はそうすらすらと、
人を怒らせる言葉が出てくるんだ。
「それ言われるとね」
「何も言えませんね」
所長が静かにミコトの元に近づく。
「裁判勝てるんですよね？」
「え？」
「負ければUDIラボの信頼を失います」
「大丈夫です」
────────────────
そして次の公判。
前回と同じ裁判とは思えないほどの人の量にマスコミの恐ろしさを感じる。
「人増えてる」
「一転して無罪主張してますから」
三人して空いている席に腰掛ける。
「桜小路家のセラミック包丁は全て特注で左利き用であり、
どれも被害者の傷とは一致しません。
これは明らかな誤認逮捕です。
よって被告人の無罪を主張します」
「…弁護人の人張り切ってるね」
「これなら勝てるかも…」
『…いや、
検察だって、
──── 確実に潰しにくるよ』
私のその言葉が的中したのは、検察側の立証が始まった時だった。
「えー草野教授、
これまでのご経歴を教えて頂けますか」
「東都大学法医学教室で40年、
法医学に携わって参りました。
これまで1万5000体のご遺体を解剖しました」
『い、1万5000…』
私たちじゃ、
計り知れない数字だ。
「この包丁についてどんなことがいえますか？」
「そのサイズと形状から見て、
凶器と考えて差し支えないかと」
「この凶器と刺し傷が不一致であると主張する若い女性の法医学者がいるんですが、
どう思われますか？」
「その方の解剖実績数はいかほどですか？」
「草野教授の10分の1、
1500件程度と聞いております」
「まあ女性だということでチヤホヤされるんでしょうが、
最近は未熟ながらも一端の口を聞く女性研究者が増えております」
『っ、な、！』
「あ、ちょっとダメですよ黛さん、」
思わず立ち上がりそうになった私を押さえる久部くんも眉を寄せていて。
──── 女性だからなんだっていうの
「信用に値しないと」
「はい。
私は数多くの解剖実績を持っています。
その形状からみて凶器と考えて、
差し支えないかと ──── 」
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もっち〜 - 更新待ち遠しいよー！まってますね！ (2018年2月4日 23時) (
レス) id: ba5f1a7f46 (このIDを非表示/違反報告)
asamilk(プロフ) - このドラマの小説いろいろ読んでますが、佐伯さんの描くヒロインちゃんがいちばん好きです^ ^ (2018年2月4日 22時) (レス) id: dc820a982e (このIDを非表示/違反報告)
Ｎａｋｏ＊ - 窪田くーん！ (2018年2月4日 16時) (レス) id: 70ebcf406e (このIDを非表示/違反報告)
ゆりえ(プロフ) - 更新楽しみにしています (2018年2月2日 22時) (レス) id: ea0b2870a8 (このIDを非表示/違反報告)
若菜 - 続編楽しみにしてました！更新頑張って下さい。 (2018年1月27日 8時) (レス) id: 353a3fa0bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐伯
| 作成日時：2018年1月26日 23時
