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( 黛 )
「皮膚を保存していたホルマリン液から、
鉄、クロム、ニッケルが検出された。
ステンレスを構成する成分だ。」
相変わらずの中堂先生は証言台に立ってもポケットに手を入れたまま椅子に座って足を組んでいる。
「…大丈夫なんですか、これ」
『…まあここに来てくれただけでも良しとしよう』
坂本さんの件で何も学ばなかったのだろうか。
コソコソと髪で顔を隠しながらミコトが傍聴席に入ってくる。
この状況でここにミコトがいるなんてことが知れたら、大変なことになる。
『お疲れ様』
「どんな感じ？」
「それが…」
「つまり真の凶器はステンレスの包丁であるということですね？
検察の主張する凶器はセラミックの包丁ですが」
「ありえない。
成分表を見ればバカでもわかる」
「態度が、悪いです」
そう気まずそうに呟く久部くんに「ごめんね」と軽く謝りを入れる。
そしていよいよ烏田検事の質問の時間がやって来た。
「中堂さん、あなたの解剖実績はいかほどでしょうか」
「ああー3100だか、3200だったか」
「先日この包丁が凶器に間違いないとおっしゃった草野教授は、1万5000件の解剖実績をお持ちでした。
それに比べるとかなり少ないですね」
「カビの生えた経験が何になる。
医療と同じで法医学も年々進歩している。
件数より目の前の鑑定結果を見ろ、それが全てだ」
『カ、カビ…』
烏田検事の顔がどんどん引きつっていくのが見て取れる。
「あなたが凶器を否定される根拠は、鉄、クロム、ニッケル。
しかしそれらの成分が凶器から出たものとは言いきれませんよね。
解剖にはメス、ハサミなど様々な機器を使います。
その解剖器具の素材にも鉄、クロム、ニッケルは含まれるのではありませんか？
つまりホルマリン溶液から検出されたのはその解剖器具の微粒子とも考えられる訳です」
「バカか」
その一言に背筋が凍った。
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もっち〜 - 更新待ち遠しいよー！まってますね！ (2018年2月4日 23時) (
レス) id: ba5f1a7f46 (このIDを非表示/違反報告)
asamilk(プロフ) - このドラマの小説いろいろ読んでますが、佐伯さんの描くヒロインちゃんがいちばん好きです^ ^ (2018年2月4日 22時) (レス) id: dc820a982e (このIDを非表示/違反報告)
Ｎａｋｏ＊ - 窪田くーん！ (2018年2月4日 16時) (レス) id: 70ebcf406e (このIDを非表示/違反報告)
ゆりえ(プロフ) - 更新楽しみにしています (2018年2月2日 22時) (レス) id: ea0b2870a8 (このIDを非表示/違反報告)
若菜 - 続編楽しみにしてました！更新頑張って下さい。 (2018年1月27日 8時) (レス) id: 353a3fa0bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐伯
| 作成日時：2018年1月26日 23時
