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「鉄、クロム、ニッケル」
「ステンレスの成分！」
「ギャフン頂きましたー！」
『、待って。
Siってこれケイ素だよね』
「包丁の成分にしては異常に数値が高くない？」
「すこぶる高いね」
通常の包丁では、ありえないもの。
「分かんない」
「分かんないままじゃ証拠としてまずいよね」
「ギャフンお預け？」
「お預け。
理由調べないと」
ステンレスの包丁で、
異様なほど高いケイ素の数値。
──── 特殊な包丁、ってことなのか。
「塩素分析が出来る企業…
、ミクロリサーチ社！」
────────────
慌ててミクロリサーチ社にやって来たものの、もうとっくに室内の電気は消えていて。
『ダメだ、
もう帰ってるよ』
「拘置所の面会時間とっくに過ぎてる。
桜小路さんの説得が出来ない」
「どうすんのよ」
どうしよう、これじゃ明日の公判に間に合わなくなる。
冤罪を認めようとしてるのを、簡単に見過ごせない。
「と、とにかく元素分析」
「じゃあ私ミクロリサーチ社の本社に電話してみるね」
うんお願いと呟いたミコトはどうしよう、とうなだれるばかり。
「あ、黛さん。
さっき坂本さん来てました」
その時、どこからか現れた久部くんに声を掛けられる。
『坂本さんが？』
「はい、それで…」
『坂本さんの話だったら中堂先生にした方が。
一回、ラボ戻ろうか』
今にも話し出しそうな久部くんをなんとかラボに連れていく。
私にどうこう出来る問題じゃない。
────────────────
「だから金目当てといえばそうなんですけど、
先行きの見えない不安とかそういうのひっくるめての訴えで…」
「あいつの不安なんか知るか」
久部くんの必死な訴えもあっさりと切り捨てられてしまった。
でも、そっちに構っていられる時間もない。
今は桜小路さんの件を何とかしないと…
落ち込んだ様子でラボに戻ってくるミコトはため息を吐きながら、近づいてきた。
「中堂さんが坂本さんと上手くやれさえすれば、
坂本さんだってこんなことする必要なかったんですよ」
「上手くやるってのはなんだ。
ありがとうだの素晴らしいだのほめそやして仕事しろってのか」
『コミュニケーションですよ』
「したくもない」
「あれ、何の騒ぎ？」
簡単に話を説明すると呆れたように「ああ…」と呟いた。
傍から見ると、簡単に解決する問題なのに。
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もっち〜 - 更新待ち遠しいよー！まってますね！ (2018年2月4日 23時) (
レス) id: ba5f1a7f46 (このIDを非表示/違反報告)
asamilk(プロフ) - このドラマの小説いろいろ読んでますが、佐伯さんの描くヒロインちゃんがいちばん好きです^ ^ (2018年2月4日 22時) (レス) id: dc820a982e (このIDを非表示/違反報告)
Ｎａｋｏ＊ - 窪田くーん！ (2018年2月4日 16時) (レス) id: 70ebcf406e (このIDを非表示/違反報告)
ゆりえ(プロフ) - 更新楽しみにしています (2018年2月2日 22時) (レス) id: ea0b2870a8 (このIDを非表示/違反報告)
若菜 - 続編楽しみにしてました！更新頑張って下さい。 (2018年1月27日 8時) (レス) id: 353a3fa0bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐伯
| 作成日時：2018年1月26日 23時
