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「うん？」
中堂先生から依頼された調査を終えて急いでラボに戻ると、
解析中のミコトと夕子がいた。
「何か出た？」
「疑問が出た」
『お疲れ二人とも。
疑問って？』
お疲れ、と声を揃える2人と一緒に画面を見つめる。
「真の凶器って、
なに？」
『まだ見つかってない別の包丁』
「その包丁の材質。
検察の主張する凶器はセラミックでしょ？
セラミックじゃない包丁って」
「鉄かステンレス？」
『…じゃあ無理だ』
「え？」
『血液からは採取できない』
鉄もステンレスも主成分は鉄だ。
血液にも鉄は含まれる。
その鉄分と混ざってしまえば、
判別は出来ない。
「セラミックが出たところで、
検察の凶器の否定にはならないしね」
「…じゃああれは？」
『被害者の傷？
さっき調べてたよね？』
夕子はうんうんと首を縦に振る。
「皮膚じゃなくて液体、
ホルマリン液。
傷口に付着した凶器の成分がこの中に拡散してたら」
『凶器の主成分が鉄だったとしても、
血液と違って分離できる』
────────────
ああ、
そろそろ限界なのかもしれない。
通常の解剖の仕事ですらかなりのハードなのに、
それに加えて桜小路さんの事件。
なかなかのスケジュールだった。
もう暗くなってしまったラボに光るパソコンの明かりが目にしみる。
眠い目を必死にこじ開ける。
コトン、と右隣からなる音と、
漂うコーヒーの香り。
「まだ残ってたのか」
『──── 中堂先生』
ありがとうございます、と呟いて温かいコーヒーに口をつけた。
「最近帰ってないんだろう」
『そうですね、
でもどうしてもこの事件だけは解決したいんです』
冤罪なんて、
絶対にあってはならないことだ。
「…そうか」
いつもの定位置のソファーに腰を下ろした中堂先生に問いかける。
『…辞めませんよね、
中堂先生は』
「何言ってんだ当たり前だろう」
『私も、
辞めませんから』
あなたの役に立つまでは、
絶対に ────。
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もっち〜 - 更新待ち遠しいよー！まってますね！ (2018年2月4日 23時) (
レス) id: ba5f1a7f46 (このIDを非表示/違反報告)
asamilk(プロフ) - このドラマの小説いろいろ読んでますが、佐伯さんの描くヒロインちゃんがいちばん好きです^ ^ (2018年2月4日 22時) (レス) id: dc820a982e (このIDを非表示/違反報告)
Ｎａｋｏ＊ - 窪田くーん！ (2018年2月4日 16時) (レス) id: 70ebcf406e (このIDを非表示/違反報告)
ゆりえ(プロフ) - 更新楽しみにしています (2018年2月2日 22時) (レス) id: ea0b2870a8 (このIDを非表示/違反報告)
若菜 - 続編楽しみにしてました！更新頑張って下さい。 (2018年1月27日 8時) (レス) id: 353a3fa0bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐伯
| 作成日時：2018年1月26日 23時
