グレイ _ ｇｒａｙ__ (ページ7)

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ｈｅａｖｅｎページ7

真っ白に染められた部屋に鳴り響く音楽、眩しいくらい光る照明、踊り騒ぐおんなの子たち
此処を牛耳る彼らのことは好きだけど、この場所だけはどうしても好きになれなかった

彼らの存在は私にとっても少し異質なもので、
山王や鬼邪高のようにガヤガヤしている訳じゃないし
ルードや達磨さんたちのように張り詰めた空気が漂っているわけでもない

流石に気を使ってここに来る時はロッキーさんに貰った白のコートを羽織るようにしている。私がそれを着ているかどうかでロッキーさんの機嫌が180°変わってしまうから
でも中に着ている黒い服は、私なりの少しの抵抗

「いらっしゃっていたんですね、Aさん」

『コーさん、お久しぶりです』

この人には私の全てが見透かされているような気がしてしまう。何も言わずにここに来ても、入った途端に出迎えられるから、本当に恐ろしい
試しに変装をしてコソコソと訪れてみても「随分と面白い格好をしてるんですね」なんて馬鹿にされてしまった

「何か用があったんですか、ロッキーに」

『…何も無いですよ』

「嘘はよろしくないですね」

こちらへどうぞとロッキーがいるであろう2階へと案内されていく
確かに話があったのは事実だけれど、何でバレたんだ。体内にICチップでも埋め込まれているんじゃないか…考えるだけでも恐ろしい

通された部屋に入ると汚れ一つ無い真っ白なソファーにロッキーが足を組んだまま座っていた
まるで私が来ると分かっていたように

「何故最近顔を出さなかった」

『っな、私だってそれなりに忙しいんですよ！ちゃんと仕事してますっ』

「ッフ、そうか」

何が面白かったのか分からないけど鼻で笑ったロッキーさんを軽く睨みつけると、コーさんまで笑ってきた

「それで話は何なんだ」

『…最近出回っている薬の件、知ってますか』

「ああ、もちろんだ。うちの客も何人か被害が出ている」

『その取引に此処が使われ始めてるみたいです』

「、いつからだ」

『はっきりとは分からないですけど、ここ最近の話です』

…そうか、とロッキーさんが呟いてコーさんに何やら目で合図するとコーさんは静かに部屋から出ていった

「この件はこっちで対処する、お前は客として此処で楽しめ」

『…分かりました』

部屋を出ていこうとするとAと後ろから呼びかけられた

「また近いうちに顔を出せ、心配させるな」

『っ、はい！』