60話 ページ10
戸塚と会う当日、待ち合わせの10分前に着いたA。けれどそこにはもう戸塚がいた。
『待たせちゃってすみません!!』
戸「いえ!俺が早く着いちゃっただけなんで…あのランチなんですが、俺のお勧めのカレー屋さんがあって、そこでいいですか?」
『はいっ』
2人は都内にあるカレー屋に向かった。そこは小麦粉や余計な油は使ってない、スパイスのみで作った自然本格カレー。そこでAは野菜カレー、戸塚はチキンカレーを頼んだ。
『頂きます………っおいしい!』
戸「でしょ?よかった〜」
『今度皆も連れてこよっ』
戸「"皆"の中にディズニーで迎えに来てくれたお友達も入ってるの?」
『恵、の事ですかね?入ってますよ?うちの高校は人数少なくて1年は私入れて4人しかいないんで、皆親友って私は思ってます』
戸「よ、4人!?」
宗教系の学校で特殊だから少ないという表向きの情報を言い、戸塚は人数少ない分Aさんと沢山お話し出来るからいいな…なんて羨ましがっていた。
戸「あの、いきなりだけど敬語やめません?俺もやめるから」
『え、いや、年上にタメ口って…』
戸「折角ランチに来たのに距離間を感じるな…なんて…」
そう言われては断れないA。タメ口を了承し、カレーを食べ終えた2人は食後の散歩がてら、公園をフラフラしながら話をすることになった。
『あの、ご馳走になってよかったの?元はと言えば携帯を貸してくれたお礼で今日ランチに…』
戸「ご飯に来てくれる事自体がそのお礼だったから、だから本当気にしないで?」
『…なら、ありがとう。ご馳走様!』
戸「うんっ」
こうして公園に来た2人はいろんなことを話した。戸塚には年の離れた弟が2人いること、アルバイトは少し特殊なカフェでしてるらしく、Aがきっと気に入ると思った戸塚は今度来てもらう約束をした。家は東京で都内からそんな遠くないという事。
Aも話した。家族はもう亡くなってて、7歳から高校生になるまで施設にいたと話すと戸塚はとても悲しい顔をした。今は寮生活で出家したみたいなもん、なんて言えばさっき食べたカレーにお肉入っていた事を言い出し慌て出す戸塚。そんな人の良さが滲み出ている戸塚にAもすっかり打ち解けていた。
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作者名:かえさ | 作成日時:2021年1月9日 0時