第111話 ページ12
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試合が始まろうとしている中、吹雪は隣でじっと前を見つめている少女の横顔を盗み見ていた。普段の穏やかな笑みは消え、真剣な表情をしている彼女の視線の先には、青い少年の姿がある。
「…優しい子なんだよね、本当は。」
吹雪の小さな呟きは、周囲を取り巻く歓声の渦に飲まれて消えてしまった。しかし、彼の視線を感じていた蘇芳色の少女は静かに目を閉じ、歩み寄ろうとしてくれている吹雪の優しさに感謝した。
「サウジアラビア対日本！！今、サウジアラビアのボールでキックオフです！」
審判の笛と共に、サウジアラビアのFWアンドレアスがボールを蹴りながら走り出した。
一星はアンドレアスに近づくと、すれ違い様にこう言った。
「野坂は戦術のキープライヤーは、風丸と吹雪だ。ラフプレイ対策の特訓をしている。生半可なタックルでは…」
「黙れ無能が。」
彼の言葉を遮り、アンドレアスが冷ややかにそう言い捨てた。それを聞いた一星の目が大きく見開かれる。
「おい！そんな奴と喋ってると、無能が移るぞ！」
追い討ちをかける様に、ヒソカがアンドレアスに向かってそう言う。
「さっさと失せろクズが。」
彼らの冷ややかな言葉を聞いて、一星はぐっと悔しそうな顔をした。
その様子を見ていたAも、険しい表情でサウジアラビアの2人を睨みつけると小さく舌打ちをした。
「…幼稚な奴らだな。お前が失せろ…！」
鋭い視線を向けてくる彼女に、ヒソカは見下した様な笑みを浮かべた。
「何も出来ないなら、せめて大人しくしてろよ！」
「誰が…！！」
大人しくなんてするものか。そう言おうとした時、風丸がスライディングで彼の足元からボールを奪い取った。Aが驚いて風丸の方に視線を向けると、彼と目が合った。すると彼は、一瞬微かに微笑んだのだった。
「…！！」
Aが目を見開いたのと同時に、サウジアラビアの3人が風丸を取り囲む。そして、彼の足元目掛けて一斉に蹴りを仕掛けてきた。
「無駄だ！」
そんな彼らの攻撃を、風丸は軽やかに避けていく。Aは、その様子を呆然と見ている事しか出来なかった。助けるべきなのか、放っといても大丈夫なのか分からなかった。
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エル(プロフ) - かなりさん» かなりさん、初めまして。嬉しいお言葉ありがとうございます…！！頑張って完結させますのでこれからも宜しくお願いします。 (2020年5月23日 21時) (
レス) id: 48e524db4d (このIDを非表示/違反報告)
かなり - 私は、この小説が大好きです！！ずっとこの小説のコメントが書けなくてごめんなさい。でもこの小説はドキドキしながら読んでいます！これからもずっとこの小説を最後まで続けて欲しいです！！これからも体に気をつけて頑張って下さい！ずっと応援しています！ (2020年5月23日 21時) (レス) id: d3ceb655af (このIDを非表示/違反報告)
エル(プロフ) - かなえさん» ご感想ありがとうございます！返信遅れて申し訳ありません(/ _ ; )嬉しいお言葉を頂けてとても励みになります！今後も宜しくお願いします。 (2020年2月17日 18時) (レス) id: 399e3550ff (このIDを非表示/違反報告)
エル(プロフ) - 名無しのりんごさん» 名無しのりんごさん、ありがとうございます！返信遅れて申し訳ありません(/ _ ; )諸事情で更新頻度落ちてるんですけど、必ず完結させますんで今後も宜しくお願いします！ (2020年2月17日 18時) (レス) id: 399e3550ff (このIDを非表示/違反報告)
かなえ - 私は、超語彙力がないんです！うらやましい！すごく面白かったです！シリアス展開で、ボケ要素少なめの真剣な感じで、なんかこう……ビリビリきました！ずっと応援しています！ (2020年1月11日 21時) (レス) id: a03bb62dba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニーナ | 作成日時：2020年1月4日 18時
