第101話 ページ2
「ふふっ。分かってないなぁ、充は…。こんなこと、充以外に言う訳ないだろ？…あ、光にも言うかも。」
心を許してるからこそ、家族だと思ってるからこそ、ふざけた発言が出来るのだ。彼は私を脅すことはあっても、傷付けることは無い。それが分かってるからこそ、思いのままに甘える事が出来る。
「ね、良いでしょ？」
首を微かに傾け、やや上目遣いでそう言う彼女は、誰がどう見たって確信犯だ。そんな彼女を見た一星は少し困った様な顔をしたが、諦めたのか「分かったよ」と頷いた。
「酷いなぁ、そんな嫌そうな顔しないでよ。…今更恥じらう様なことでもないじゃん。」
そう言って無邪気に笑う少女は、青い少年が抱いているとある感情の正体を知らない。ただ純粋に、彼との時間が欲しいだけだった。
「…そうだな。」
弱々しく微笑む少年は、長年の想いに蓋をして、愛しい少女の家族でいることを決めた。辛い過去を持つ彼女が、触れることを許してくれるならそれで良いと思った。
交わることの無い2人は、ゆっくりとベッドに身を委ねる。まるで子猫の様にすり寄ってくる少女を優しく抱きしめると、少女は嬉しそうに笑うのだった。
「…ねえ充。私、貴方が大好きだよ。ずっと、愛してるわ。」
少年の頬に手を当て、優しい笑顔でそう言う少女の瞳は微かに揺れていた。きっと、それが彼女に出来る精一杯の愛情表現で、事実を知らない彼への餞の言葉なのだろう。
「…うん、俺もだよ。」
少年も、少女の頬に手を当て優しく微笑む。その唇に口付けることが出来たらどんなに良いだろう。恋しくて恋しくて仕方の無い少女が目の前に居るのに、手を出すことは叶わない。
安心したのか、規則正しい寝息を立て始めた少女のあどけない顔を見つめ、一星はゆっくりと彼女に顔を近づける。
「…ごめんA。明日になったら、ちゃんと家族に戻るから。」
少年は静かにそう言うと、彼女の唇に自分のそれを重ねた。
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エル(プロフ) - かなりさん» かなりさん、初めまして。嬉しいお言葉ありがとうございます…！！頑張って完結させますのでこれからも宜しくお願いします。 (2020年5月23日 21時) (
レス) id: 48e524db4d (このIDを非表示/違反報告)
かなり - 私は、この小説が大好きです！！ずっとこの小説のコメントが書けなくてごめんなさい。でもこの小説はドキドキしながら読んでいます！これからもずっとこの小説を最後まで続けて欲しいです！！これからも体に気をつけて頑張って下さい！ずっと応援しています！ (2020年5月23日 21時) (レス) id: d3ceb655af (このIDを非表示/違反報告)
エル(プロフ) - かなえさん» ご感想ありがとうございます！返信遅れて申し訳ありません(/ _ ; )嬉しいお言葉を頂けてとても励みになります！今後も宜しくお願いします。 (2020年2月17日 18時) (レス) id: 399e3550ff (このIDを非表示/違反報告)
エル(プロフ) - 名無しのりんごさん» 名無しのりんごさん、ありがとうございます！返信遅れて申し訳ありません(/ _ ; )諸事情で更新頻度落ちてるんですけど、必ず完結させますんで今後も宜しくお願いします！ (2020年2月17日 18時) (レス) id: 399e3550ff (このIDを非表示/違反報告)
かなえ - 私は、超語彙力がないんです！うらやましい！すごく面白かったです！シリアス展開で、ボケ要素少なめの真剣な感じで、なんかこう……ビリビリきました！ずっと応援しています！ (2020年1月11日 21時) (レス) id: a03bb62dba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニーナ | 作成日時：2020年1月4日 18時
