第80話 ページ31
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ピンチは免れたが、日本の選手は相手の攻撃でかなり体力を消耗していた。
「ここまで全員でダーティーに来られると、流石にまずいな！」
「どうやら本性を剥き出しにしてきたみたいですね。」
「その様だな。このチームは全員が組織に染まってるってことか。」
「ここまで汚ねえと、いっそ清々しいぜ。」
「しかし凄えのは、これだけやってても、観客にも審判にも一切気付かれてねぇってことだ。」
「まさか、審判もグルか！？一体何なんだ？」
イナズマジャパンのメンバーは、それぞれがこの試合について思っている事を口に出した。
「仕方ない。では奥の手を出すとしよう。」
野坂はそう言うと、ベンチの趙金運に目をやった。すると彼は、審判に何やら耳打ちをした。それを見た野坂は微笑むと「よし！」と合図をした。
「皆、練習の成果を見せろ！新タクティクス、コード10を実行だ！」
風丸がそう言うと、イナズマジャパンは戸惑いながらも、一斉に竜巻竜巻をお越し始めた。
「なに！？」
その光景を見たAは、思わず顔をしかめた。この光景は、どこかで見覚えがある。
「…まさかアイツ！！」
Aは険しい顔で宙を舞う野坂を睨み付けた。野坂はそんな彼女を一瞥すると、ふっと笑った。それを見たAの顔が驚きの表情へと変わる。
「…そっか。貴方も、覚悟を決めているんだね。」
Aは野坂を見つめながら、静かにそう言った。
「グリッドオメガver.2.0！！」
野坂の声と共に、敵チームの選手が次々と竜巻に飲み込まれていく。そして、その竜巻が収まった頃には、全員が地面に倒れ込んでいた。
苦しそうにしている彼らを見下ろし、野坂はゆっくりとボールを蹴った。そして、そのボールはきちんとゴールラインまで届いたのである。
「ゴール！！日本が逆転！！」
審判の声を聞きながら、Aはじっと野坂を見つめていた。
彼は恐ろしい男だ。目的の為なら手段を選ばない。例え卑怯だと分かっていても、必ずやり遂げてしまう。ずる賢くて、意思が強い。
「…嫌だな、あの人。」
Aは、ゴール前で何やら話している彼らを見ながら、微かに顔をしかめた。
そして一星も、野坂の背中を険しい表情で見つめていた。
その後、趙金運の策略にハマったウズベキスタンはスタミナ切れに陥り、明日人のシュートによって日本は更に得点を広げた。そして、ちょうどその後に試合終了のホイッスルが鳴った。
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エル(プロフ) - 名無しのりんごさん» わあ、ありがとうございます！そう言ってもらえると励みになります^_^更新頑張りますのでこれからも宜しくお願いします！ (2019年12月23日 17時) (
レス) id: 399e3550ff (このIDを非表示/違反報告)
名無しのりんご - 面白いですね。綺麗な表現がたくさんあって素敵です。頑張ってください！ (2019年12月23日 1時) (レス) id: 694c2bbe46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニーナ | 作成日時：2019年11月16日 12時
