第68話 ページ19
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その日の夜、合宿所の前の石段で円堂と風丸が何やら話をしていた。
「なあ円堂。鬼道のやり方は決して褒められたものじゃないが、お前や豪炎寺を傷つけようとした奴らが直ぐそばにいたら、そいつらを排除しようとした鬼道の気持ちも、分からなくはない。」
風丸はそう言いながら、昨日の試合での少女の姿を思い出していた。元々、彼女に対して不信感はあった。確信的な何かがあった訳じゃないが、彼女が初日から見せているあの笑顔が、どうも作り物っぽくて気味が悪かった。実際、彼女は試合中笑顔で物騒な言葉を発しており、あの時点で腹黒い人物だということは確定していた。
しかし、試合中も常に崩すことの無かったその笑顔が、試合の最後で崩された。この目で見た訳じゃないが、あれはきっと悲痛な顔をしていたと思う。
人の心を持っていないのかと思っていたが、そう言う訳じゃ無いのだろう。あの少女の事が、どうも理解出来ない。
「うーん…。そうだな。揉めるようなことは色々あったし、分かるけどさ。」
寝そべって風丸の話を聞いていた円堂は、そう言って身を起こすと、更に続けた。
「だって一星と新妻は、仲間じゃないか。」
この場に及んで突拍子も無い発言をした円堂に、風丸は呆れたような驚いたような声で「本気か？円堂」と言った。
「円堂くんらしいわね。」
彼らの後ろから、おっとりした綺麗な声が聞こえた。彼らが振り向くと、そこには雷門夏未が立っていた。
夏未は穏やかな笑みを浮かべ、彼らに「次は世界大会で会いましょう」と言うとその場を去った。
「円堂君ならきっと、一星君と新妻さんを救ってくれるわ。」
夏未は歩きながら、夜空に輝く満月を見上げた。
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エル(プロフ) - 名無しのりんごさん» わあ、ありがとうございます！そう言ってもらえると励みになります^_^更新頑張りますのでこれからも宜しくお願いします！ (2019年12月23日 17時) (
レス) id: 399e3550ff (このIDを非表示/違反報告)
名無しのりんご - 面白いですね。綺麗な表現がたくさんあって素敵です。頑張ってください！ (2019年12月23日 1時) (レス) id: 694c2bbe46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニーナ | 作成日時：2019年11月16日 12時
