第66話 ページ17
そう言って現れたのは趙金運だった。
「丁度良いとこに来てくれたぜ、監督さんよぉ！」
灰崎はそう言いながら趙金運に近づいて行く。キョトンとしている彼に、灰崎は勢いよく言葉を続けた。
「あんたがアイツらを野放しにするって言うんなら、俺たちが鬼道に代わって排除するぜ！？」
そんな灰崎に、趙金運は戯けた様子でこう言った。
「排除とはまた物騒なことを言いますねぇ。良いですか、灰崎きゅん。日本には、こういった言葉があります。"疑わしきは罰せず"と。」
その言葉に、灰崎とヒロトが同時に「はあ！？」と不満の声を漏らした。
「一星君と新妻さんがまだ悪い人と決まった訳じゃありませんから、手出しすることも許しませーん。」
それを聞きながら、一星とAは不敵な笑みを浮かべた。
「馬鹿かお前は！どう見ても裏切り者で確定だろうが！」
「監督の話聞いてた？"疑わしきは罰せず"だよ、坊や。」
監督に反論した灰崎に、Aがにっこりと笑いそう言った。悔しそうにAを睨みつける灰崎を、明日人は悲しそうな目で見つめていた。
・
「良い写真は撮れましたか？」
騒ぎが収まった後、1人の少女がある男性と話していた。その男性は、先程のカメラマンである。
「…いえ、それがあんまり。何か、尽く角度が合わなくて。」
申し訳なさそうに下を向く男性に、少女はにっこりと笑いかけた。
「問題ありません。そんなことだろうと思ってたんです。貴方に依頼したのは保険ですから、気にしなくて大丈夫ですよ。それじゃ。」
少女は一息にそう言うと、男性に背を向けその場を去った。そして、微かに口角を上げたのだった。
「そりゃ、撮れるわけないさ。」
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エル(プロフ) - 名無しのりんごさん» わあ、ありがとうございます！そう言ってもらえると励みになります^_^更新頑張りますのでこれからも宜しくお願いします！ (2019年12月23日 17時) (
レス) id: 399e3550ff (このIDを非表示/違反報告)
名無しのりんご - 面白いですね。綺麗な表現がたくさんあって素敵です。頑張ってください！ (2019年12月23日 1時) (レス) id: 694c2bbe46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニーナ | 作成日時：2019年11月16日 12時
