第65話 ページ16
それを見た灰崎は軽く舌打ちをした。
明日人と剛人が、ホッと息をつく。
「大丈夫か？一星、新妻。」
「ほら、2人とも。馬鹿なことしないで下さい！」
円堂とつくしの言葉で、ヒロトが一星を解放した。
「皆さんお熱いこった。でも、あいつらは本当に悪党なのかねぇ？…にしては、ちょっと中途半端な気もするけど。」
一部始終を木の上から観察していた不動が発したその言葉は、誰にも聞き取られることは無かった。
木の下では、円堂が彼等を叱っているところだった。
「豪炎寺と鬼道がいない今、皆の心を一つにする時だろう？」
「その2人をそうしたのはコイツらだろうが！コイツらが汚い手を使って…！！」
円堂の言葉に、灰崎が一星とAを指差して反論した。そんな灰崎に、一星が異を唱える。
「僕らは何もしてませんよ？鬼道さんがドーピングに手を染める汚い選手だったからって、僕らに当たらないで下さいよ！」
その言葉を聞いた灰崎は、再び一星に殴りかかろうとする。そんな彼を、剛人が歯がいじめにして止める。
Aはそんな彼らから顔を逸らし、小さくてため息をついた。
その時、剛人が「何だ、あれ」と間の抜けた声を出した。何かが光ったと言う剛人の言葉に、一同は茂みの方に目をやった。
「あれって、カメラじゃ！？」
そこには、カメラを構えた男がこちらを伺っており、一同が振り向いたことに気付くと慌てて茂みに姿を隠した。
「そういやコイツら、お前をわざと苛つかせてたよな？」
ヒロトが灰崎に目をやりそう言うと、灰崎は悔しそうに舌打ちをすると、一星とAを睨みつけた。
「てめぇら、どこまでゲスな野郎なんだよ！」
一星は何も答えず茂みの方を見ていたが、Aは灰崎に視線だけを向け、「さあ、一体何のこと？」と笑った。灰崎が再び怒りを露わにしようとした時、パンパンっと手を叩く音がした。
「はーい、みなさーん！もうすぐ夕食の時間ですよ〜」
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エル(プロフ) - 名無しのりんごさん» わあ、ありがとうございます！そう言ってもらえると励みになります^_^更新頑張りますのでこれからも宜しくお願いします！ (2019年12月23日 17時) (
レス) id: 399e3550ff (このIDを非表示/違反報告)
名無しのりんご - 面白いですね。綺麗な表現がたくさんあって素敵です。頑張ってください！ (2019年12月23日 1時) (レス) id: 694c2bbe46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニーナ | 作成日時：2019年11月16日 12時
