第64話 ページ15
彼女は目を閉じ、彼の怒りを受け止めようと覚悟を決めた。しかしいつになっても衝撃が襲って来ないため、不思議に思い目を開けると、そこには灰崎の腕を抑えている明日人と剛人がいた。
「灰崎、こんなの俺は納得出来ない！」
そう言った明日人に続き、剛人も灰崎に抗議の言葉を浴びせる。
「そうだぞ！！っつか、昨日お前から食らった一発、まだ痛むんだからな！そんなの女の子にやっちゃダメだろ！！」
しかし、灰崎の怒りは収まらなかった。彼は一旦少女から手を離すと、2人に向き直り怒りをぶつけた。
「てめぇはすっこんでろ！！コイツらは暴力以上のことをしてんだろうがよぉ！！」
それを聞いたAの顔が、本の一瞬強張った。罪悪感の欠片も感じさせない態度を取っていた彼女だが、その本心がどの様なものであるかは誰も分からない。
「灰崎！そんなアマちゃんどもほっといてさっさとやれよ！」
彼らの様子を見ていたヒロトが、一星を歯がいじめにしたままそう叫んだ。しかし、それを聞いた明日人に再び止められる。
「ダメだって！！」
必死にそう訴える明日人に、Aの瞳が揺れる。
昨日の件で、自分たちが黒なのは分かったはずだ。それなのに、何故彼はここまでしてくれるのだろうか。
Aはそう思ったが、ふっと目を伏せると口を開いた。
「いいよ、殴りなよ。それで貴方の気が治るなら、何回でも殴られてあげる。」
そうだ、これで良い。元々殴られる予定は無かったけど、私もそろそろ罰を受けるべきだ。あの人のことを誰よりも尊敬していた、この可愛げのない後輩によって裁かれるべきだ。
「何言ってるんだ新妻！！ダメだよ！」
Aの前に明日人が立ちはだかる。その真っ直ぐな瞳を、彼女はとても見ていられなかった。
「ウダウダ言うなら、てめぇからやってやろうか？」
苛立ちの篭った声でそう言う灰崎に明日人が向き直った丁度その時、円堂とつくしがかけて来た。
「お前たち、何やってるんだ！？」
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エル(プロフ) - 名無しのりんごさん» わあ、ありがとうございます！そう言ってもらえると励みになります^_^更新頑張りますのでこれからも宜しくお願いします！ (2019年12月23日 17時) (
レス) id: 399e3550ff (このIDを非表示/違反報告)
名無しのりんご - 面白いですね。綺麗な表現がたくさんあって素敵です。頑張ってください！ (2019年12月23日 1時) (レス) id: 694c2bbe46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニーナ | 作成日時：2019年11月16日 12時
