34話 ページ34
俺の言いたい事はそうゆう事じゃない…と頭を抱えながら、それでもAが他の奴を下の名前で今後呼ばなくなるならそれでいいかと思い伏黒は口を開いた。
伏「少なくとも今の俺達の周りにいる人たちは、大丈夫だ。現に禪院先輩もそうだし。でも今後、新たに出会う人とかに下の名前で馴れ馴れしく呼んだら、きっとその人は…ウザがる」
"ウザがる"と言葉がAの脳内で木霊する。
『そうか…行く前に知れて良かった…ありがと、恵』
伏「?行く前?」
『…!な、何でもない!』
実はA、前に釘崎に誘われてた"ご飯"に近々行く事になっているのだ。そしてその事を、絶っっ対伏黒には言うなと釘を刺されている。
伏「なんか隠してんな」
『隠してない!今日はもう寝るから帰って』
そう言い伏黒を追い出せば玄関先でふぅ、と一息。
『危なかった。バレたら本当に釘で刺される…』
A自身、伏黒に隠し事するのは少し後めたい気持ちがある。それでも隠しているのは、釘崎に強く言われてるからだけではない。自分も行きたいからだ。その理由は、雑誌に載ってた小洒落たダイニングバーに連れて行ってくれるから。
元々施設で雑誌とかはよく読んでいたAは、そうゆう所への興味、憧れは人一倍あった。なので"雑誌に載ってた"と言うのに弱いAは、どうしても行きたいのだ。
_____数日後。釘崎とA、そして真希は夜の渋谷の街を歩いていた。
釘「急遽真希さんも来れることになって良かったわ」
希「相手がどんなヘタレか気になったからな、顔を拝みに来ただけだ」
そう言う真希は、どこか面白がっている様子。
釘「A、わかってると思うけど相手は非術師。だから私達が呪術師だって事も、高校生って事も内緒よ」
『はい、なるべく喋りません』
釘「馬鹿、喋らないのはダメ!今日は人数は少ないけど、謂わば合コンみたいなもんなのよ。チャンスは生かしていかなくちゃ、連れて来る人が超絶イケメンかもしんないし」
『合、コン?』
希「もしかして、合コンしらねぇの?」
『はい…やった事ないですし』
釘「いや、やった事なくても知ってるでしょ…私も初めてだし…」
釘崎は頭を抱えながら簡単に説明した。
初対面の男女の2つのグループが親睦を深める為、合同で開催する食事会(飲み会)の事。合同コンパ略して合コン。
希「合コン知らねぇとか…こりゃ、可愛い後輩を守らなくちゃな」
真希は1人ボソッと呟いた。
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作者名:かえさ | 作成日時:2020年12月14日 11時