俺がいる。【伏黒恵】 (ページ33)

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33話ページ33

伏「はぁ、可愛すぎだろ…」

『か、かわ！？ちょ、どうしたの？ラーメンに毒でも入ってた？』

突然キスしたり、可愛いと言って来たり、全然ついていけないA。

伏「何でそうなんだよ。俺は思った事言っただけだ」

『いきなり過ぎる！揶揄ってるんでしょ？』

伏「まぁ、そうゆうお前の反応見るのも悪くないな」

『…この、ファーストキス泥棒！！』

この日から伏黒はAに対してより積極的に絡むようになった。
任務などで1日顔を合わせてない日は、チャットアプリで

_______今日顔見てない

と連絡が入ってて適当にはい。と返せば突然扉がガチャリ。

伏「顔見に来た」

と、こう言った感じで部屋へやってくる。キスの件から最初こそ警戒して避けに避けまくってたA。それ以上にしつこく部屋に来たり連絡して来たり…文句を言っても、避けるのが悪いと言われたAは最終的に根負けしたのだ。

まぁ、当の伏黒はあれ以来何かして来る様子もなく、ましやキスの事なんて全く無かったかのような様子で絡んでくるから、単に思春期の戯れかと納得したAは、自分だけ気にしてても仕方ないと思い変に意識をする事をやめた。

『今日の報告書書くから静かにね』

伏「俺いつも静かだと思うけど」

『確かに』

自前の本を持って来て長居する気満々の伏黒は至って静か。特に会話もなく、話さないなら帰ればいいのにと思いつつ、その空間に居心地の良さを感じているのも確か。

伏「もうすぐだな、交流会」

『あ、交流会で一つ気になってた事思い出したんだけど、東堂が乙骨先輩を出せ出せ言ってたけど、乙骨先輩ってそんなに強いの？』

伏「あぁ。そのお陰で去年は圧勝だったらしい」

『へぇ！なんかゴリゴリしか想像できないな…』

伏「その逆。それに高専でゴリゴリなの、あの人くらいかも。

それより、東堂は分かるけど乙骨先輩は"乙骨"なんだな」

『え？違うの？』

伏「合ってるけど、呼び方の話」

『あぁ！迷ったんだ～
お、っ、こ、つだったら、優太先輩だったけど、おっ、こ、つ、かな～って』

伏「…もしかして、文字数で呼び方決めてんのか？」

『そうだけど？』

まさかAの呼び方がそんな単純な事で決まっていたなんて思いもしなかった伏黒。

伏「じゃ次からは初対面の人は苗字で呼べよ」

『え、何で？』

伏「何でって…名前で呼ぶって、距離感近いだろ」

『も、もしかして…私皆からウザがられてた…？』