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32話 ページ32

_______もしもし

伏「どうゆう事ですかこれ」

_______お前かよ!気になんのか?想像にお任せするよ



すると隣で聞いてたAも電話に参加する。



『真希先輩!私…東堂と…キス、しちゃったんですか?』

_______してない!してない!伏黒をちょっと揶揄っただけだ!

伏「はぁ、もう絶対やめてください」



明らかにキレていた伏黒の一言で、ブチッと電話は切られた。



希「あーこわっ!嫉妬ほど怖いもんはねぇな」

釘「てかA、東堂のこと生理的に受け付けてない様子でしたね」

希「いやあんなの、気持ち悪すぎるだろ」

釘「確かに」





『よかったぁ〜あんなのが初めてだったら、この先彼氏が出来たとして、キスする度にあの顔が浮かんでたかも…』

伏「…お前でも彼氏ができたらとか考えんだな」

『そりゃ…施設では心を養う為に、映画とか本とか沢山見せられたけど、一応理想な恋愛とかもあったよ』

伏「例えば?」

『んー例えばって言われると難しいけど…"通行人A"みたいな普通な感じ、かな』

伏「は?」

『恋愛映画とか見る人は、皆主人公達の恋愛に憧れると思うけど、私はその背景にいる名前もない通行人Aみたいなラブラブなカップルが理想って事!何も求めないから普通でいい。普通に手繋いだり、普通にキスしたり、その時出来ることをするだけできっと幸せじゃない?』



Aは何より普通を求めた。それは普通じゃない生活を送って来たからだろう。でも普通じゃないのはAだけに限ったことじゃない。そこにいる伏黒にも言える事だ。

だからこそ、その言葉に伏黒が1番気付かされた。普通の人より死が近い自分達、その時出来ることをしないと、気づいた時には自分の前からいなくなってしまうと。



伏「奇遇だな、俺も同じだ」

『え、めぐ……っ!』



伏黒の方を向き、恵も?と答えようとしたAの唇は、目の前のその人によって塞がれていた。名残惜しそうにゆっくりと離れる唇。熱の篭った目で見られれば、Aはそれから目を逸らせないでいた。



『な、んで…』

伏「その時出来ることをした。それに……ちょっと焦った」

『はぁ?』

伏「これでお前が"もし"他の野郎と付き合う事になって俺の事思い出すって事だよな?」

『なっ……!!』



Aの初めてに拘っていた伏黒。ファーストキスを頂けて大満足したのか、頬が緩みっぱなしだ。そしてAは茹でタコのように顔が真っ赤だった。

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設定タグ:呪術廻戦 , 伏黒恵 , 宿儺   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:かえさ | 作成日時:2020年12月14日 11時

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