俺がいる。【伏黒恵】 (ページ29)

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29話ページ29

？「ハ、ハハハッ！面白い！もっと見たい！！実験させてくれ！！」

清「…真人ぉ！！」

半分取り戻した清の姿を見て、本当に清だったと知るA。真人と名乗りながら殴る清を呆然と見つめた。だが攻撃は効いておらず、真人の手が清のお腹辺りに伸びてきた。そして"無為転変"と言うと、今度は本来の清よりも、一回り、二回り大きい生き物に変わってしまった。そしてAの方を振り返り、のっそのっそと歩いてくる。

『…清』

清「こ、ロシ、テ、くれ」

『っ！！！』

清「コロ、し、てく、レ」

"殺してくれ"涙を流しながら言う巨大な生き物の形をした清。

真「へぇ、魂の汗が滲み出てる。これはいい発見。さっきは脳？意識？の方は点でダメだったから、今回はそれを意識して形を変えてみたけど、まだ足掻いてるね。俺がダメなのか、清が凄すぎるのかな？」

『………殺す』

真「っ！！」

Aの殺気を察知した時にはすでに遅く、気づけば真人の足は凍りついて動けずにいた。

真「凄い呪力だ！そうか、君も天与呪縛を…っ！」

『さっきから意味不明な事をぐちぐちと… 』

そして気づけば真人の目の前にはAが、手には黒い呪力を纏っている。そしてその手で真人に触れればすかさず、そこから凍りついていく真人。
すると後ろから、ドサッと清が倒れる音がした。

『っ！清！』

真「あれ？死んだ？意地になって乱暴に形変えすぎたかな？」

その言葉にを最後にAの耳には音が入っていかなくなった。黒い呪力を纏った手で拳を作り、凍った体にピキピキとヒビが入り始めた真人の体を1発、また1発と殴り始める。

真「っ！！や、やめろ！！わ、わかった！お前の体を何の縛りもなしで治す！それと普通以上に動ける身体にしてあげるよ！」

焦る真人の言葉は勿論耳に入っておらず、ただ目の前の個体を崩す事に必死。一つ一つ小さい身体に最大限の力お込めて鳩尾を狙う。そして4発目殴った時に真人の体は砕け散った。

『…はっ！！清！』

清「…だから……Aは凄いって、、言っただろ」

『…私の為に、私なんかの為にこんな…』

清「Aの…為なら何でも、できる。今回は俺の、自業自得。助けて、くれて、ありがとう。お前は自慢の…妹、だ。

俺の妹に生まれてきてくれて、ありがとう」

最後は元の清の姿が、くっきりとAには見えた。

『っ清！！そんな…やだよ、1人にしないで…清がいなかったら、私…』