本当の笑顔俺だけに見せろよ。【ハイキュー】【影山飛雄】 (ページ5)

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4話ページ5

影山side

『翔ちゃんには言わないで。』

「は？」

そう小声で言われ、日向との話しに戻るソイツの笑顔は、1ミリも笑ってない目に口元だけ無理やり吊り上げたような、気持ちが悪い笑顔だった。

翔「そんで？なんでお前ら一緒にいんの？？」

『っえ？あ、あぁ！さっき影山君がジャージ貸してくれるって言ってたんだけど、まさか翔ちゃんの…？』

さっきよりも1、2トーン高くなった声で話しかけて来たAって奴は、さっき迄のあいつとはまるで別人で、どっちが本当のAなのか、名前で呼び合う日向とは一体どんな関係なのか、何故日向の前では気丈に振る舞うのか気になる点が次々に上がってはキリがなかった。

『ねぇ、聞いてる？影山君？』

「あ、あぁ。そうだ。
という訳で日向貸してやれ。こいつの背丈に合うのお前くらいだろ。」

翔「え、俺！？良いけどなんか影山に言われるとムカつくな！！
いや、Aに貸すから良いんだけどね！？？」

大「どーしたんだお前ら！練習始めるぞ！」

「大地さん、ちわっす。こいつに日向のジャージを貸すんでちょっと待っててもらって良いっすか？」

大「あ、あぁ！」

全身濡れてるそいつを見た大地さんの返事も多少ぎこちなかったのがわかった。幾ら何でも自分の不注意でこんな濡れるなんて嘘を信じるのは日向くらいだろう。

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翔「ほいっ。俺の体操着だけど今日体育無かったから臭いは大丈夫だと、思う！！」

『ふふっ。ありがとう。
後日洗って返すから！』

「あとタオルはこれ使え。」

『ありがとう。』

翔「いやぁーそれにしてもAとまた学校一緒になるなんてなぁ！！中学は元気してた？てか今組？？」

『私は4組だよ！翔ちゃんこそ！烏野遠くない？山越えるよね？中学は……元気だったよ？』

「おい。日向ボケ！そんな話フッてたらこいつが着替えられねぇだろ。ボケ」

中学の話で明らかに気分が落ち込んだアイツを見て俺は咄嗟に日向に当たる事しか出来なかった。日向も日向で「お前は一言多い！いや、ボケが多い！」とかブツクサ言いながら俺らは部室を後にした。