3話 ページ4
影山side
無言…。
無言ってこんな辛いものか?
っていうか、こういうのはどこまで聞いて良いんだ?
俺がこの状況作ったからむしろ聞いた方がいいのか?!?
人の気持ちを考える事なんて皆無だった俺には史上最高の難題だ。
そしてさっき感じた誰も信用してないような冷め切った目に、俺ごときがどこまで踏み込んで良いか余計に迷わされていた。
『名前』
「あ?」
『名前教えて。あとクラス。』
「影山飛雄。3組。」
『このジャージ洗ったら返しに行くね。』
「別に洗わなくてもいい。」
『流石に親切で貸してくれたジャージを濡らしてそのまま返すわけないでしょ。』
「意外と律儀なんだな。」
会話は続いているが俺もソイツも真顔。側から見たら非常につまらなそうに見えるだろう。
いや、実際楽しくはないが…
そんなこんなで部室へ着きそうになるが、その前にこいつの背丈に合うのは日向しかいないと思った俺は先に体育館へ向かう。
「お前の背丈に合うやつ体育館にいるから先そっち向かう。」
『い、良いの?勝手に借りる方向になってるけど…』
「別にそんな気にしねえだろ。」
『そんなもんなのかな?』
「そんなもんだ。…着いたぞ。」
体育館の比較的分厚いドアのノブに手をかけ扉を開けた。
「すみません。遅くなりm(バシーン!!)」
扉を開けた瞬間俺の顔面目掛けてボールが飛んできたから、俺はそれを弾き落とした。
翔「わりぃわりぃ!!お前ジャージは「日向ボゲェ!!!」」
「お前俺じゃなかったらどーすんだ!!ボゲェ!!
そのノーコンへなちょこサーブ何とかシロォ!!」
翔「ひぃぃい…そ、そんな言わなくったっていいだろ!こ、こ、こっちだってな、なんとかしようと頑張って練習してんだよ!!」
日向の必死の言い分を他所に俺の後ろから顔を覗かせたあいつが声を発した。
『し、翔ちゃん…?』
翔「……?お前……Aか?Aなのか!?」
『ひ、久しぶり!!まさか翔ちゃん烏野にいるなんて思わなかったよ。(ニコッ)』
翔「いや!それはこっちのセリフ!!それより…なんでAそんな濡れてるの?」
『え、えっと…あ!トイレ掃除でさ…蛇口ひねったら勢いよく水出てきて、焦っちゃって中々止められなくってさぁー。あははっ』
変な笑い方。そんなことを思ってると背中の裾をグッと後ろに引っ張られ、あいつの口元に俺の耳が近づいた。
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ハルチャ(プロフ) - かえささんの小説が大好きで、影山夢と伏黒夢両方拝読させていただいております!2人とも自分の推しでもあるので、読んでいて本当に楽しいです!!有難うございます!! (2021年3月22日 23時) (レス) id: 5180ecc88d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かえさ | 作成日時:2020年7月29日 12時