恋愛初心者 ４ 【Fischer's 】

笑 ページ20

「き、嫌いなんです。 シルクさんのこと…」




ぎゅっと固く拳を握って嘘ばかり吐き出す。




「だから会いたくなくて避けてたんです」


シ「うん」


「私は……シ、シルクさんのこと………だいっきらいですっ」




痛い。


でも今私に傷つく資格なんてない。

だって何も悪くないシルクさんに、私はひどい事ばっか言ってるんだから。



もう早くこんな私のことなんて嫌いになってくれればいいー…。



そう思ったのに、




「えっ？！」


シ「ん？」


「な、なんで笑ってるんですか……」


シ「ふはっ。いや、だってよー」




怒るどころかむしろ笑顔のシルクさんに、ぎょっとする。


私の問いかけに、堪え切れないようにシルクさんは吹き出した。




シ「はぁ〜〜。もー、お前マジで嘘ヘタすぎ！」


「……え」


シ「それが本心じゃないことくらい顔見りゃ分かるわ」


「……なんで」


シ「なんでって……。 俺がどんだけお前のこと好きだと思ってんの？」


「は……？」




『好き』。

その言葉に、一瞬 時が止まったかのような錯覚。

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