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ウオタミ ページ16

「実はシルクさんに動画見せられた後、自分でも何個か観ちゃいました(笑)」


ダ「マジで?」


ン「それ嬉し〜〜」


「はまっちゃったかもです!」


マ「『かも』は余計だ(笑)」




確かに。『かも』は要らなかったかも(笑)




ン「じゃ、これでAちゃんもウオタミ?!」


ぺ「おっ、そうなるのか!」




うん?

『ウオタミ』……?




マ「あ、俺らのファンの総称ね」


「あー……。ファンクラブみたいな感じですか?」


マ「そんな形式張ったものじゃないけど、まぁそんな感じかな(笑)」


ダ「簡単に言ったら俺らの動画を観てくれるリスナー達のことな」


「……リスナー」




一瞬固まってしまった私にダーマさんは「あれ、俺の説明悪かった?」と言うから、私は首を横に振った。




「や、分かりやすかったです! ちょっと考え事しちゃって」


ダ「なーんだ」


「あは、ごめんなさい」




あ、どうしよう。

なんだかうまく笑えない。




「わ、私バイト行ってきますね」


ザ「今日もバイトなんだ!」


マ「流石だね。頑張って」


ン「シルクとモトキには伝えとくよ!」




ありがとうございます、と頭を下げていつものバッグを掴んだ。




シ「ん? A、出るの?」


「は、はい。 ……行ってきます!」




玄関のドアを開けようとした時、背後から聞こえた声に一瞬戸惑って、私は目も合わせないままシルクさんの部屋を飛び出た。




「……ど、どうしよう。失礼な態度とっちゃった……」




エレベーターの方へと足を運びながらも、ついさっきの行動に後悔する。


……でも今もし顔合わせていたら、きっと私泣いてた。




ー…『リスナーさんとの恋愛はちょっとキツイかもな』。


そうだった。私、もうリスナーなんだ。


頭の中に響くシルクさんの声に胸がぎゅーっと痛くなって息がつまる。



ちゃんと諦めなきゃ。

どうせ叶わないんだから。




「っ……」




今更、やっと気づいた。

私はシルクさんの彼女にはなれないんだ。




溢れてくる涙を拭いながら、私は恋心を消す決意をした。

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ウオタミ - とっても良かったです!めっちゃシルクの行動にドキドキしちゃいました🥰 (2023年2月9日 22時) (レス) @page50 id: 5663f2165a (このIDを非表示/違反報告)
睡蓮 - すみません!他の方に既に答えている質問でしたね!すみません!お話しとても面白かったです! (2019年8月2日 22時) (レス) id: b0ccbe4b85 (このIDを非表示/違反報告)
睡蓮 - とても面白かったです!私も気になっていたんですが、主ちゃんをストーカーしてた本当の犯人はいったいどうなったのでしょうか? (2019年8月2日 22時) (レス) id: b0ccbe4b85 (このIDを非表示/違反報告)
荻。(プロフ) - 初めまして!とても面白くて一気に読んじゃいました(*´ω`*)1つ気になってるのですが、ストーカーはどうなったのでしょうか? (2019年6月23日 21時) (レス) id: 9ad3f1c49e (このIDを非表示/違反報告)
神崎 - はじめまして!すごくキュンキュンさせていただきありがとうございました!とても読みやすくて良かったです! (2018年12月13日 23時) (レス) id: 53814835e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美都 | 作成日時:2017年11月14日 12時

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