Come true not love 〜omi〜

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「 行ってきまーす 」


『 行ってらっしゃい 』


行ってきますのキス。


これで、最後のキス。


「 …もっかい 」


そう言って、2度目のキス。


『 ふふっ、なに 』


「 んーん、なんもない 」


『 ほら、遅れちゃうよ 』


「 ちゃんと家にいるんだよ？ 」


『 ん 』


「 返事が小さい 」


『 …うん 』


そう言うとぽん、と頭に手を置いて、


家を出た。


これで、最後。全部最後。






奥の部屋から、おっきいキャリーケースを


持ってきて、私の荷物、全部詰める。


『 …うっ…うぅ… 』


また出てくる涙。





全部詰めた後に、棚の上を見ると、


たくさんの写真立て。


その中で笑う2人。


その中から、臣の寝顔の写真を選んで


キャリーケースに入れた。







そして、2人でご飯を食べたテーブルの上に


手紙と鍵を置いて、家を出る。


全部、終わり。


泣きすぎてパンパンに腫れた目を


誰にも見られないように、下を向いて歩く。


電車に乗って、実家の最寄り駅で降りる。





『 ただいま 』


母「 あら、今日帰ってきたの？ 」


『 昼、家出れないから 』


母「 まさか…臣くんに話してないの？ 」


『 …手紙書いた 』


母「 そう… 」



何も言わずに、自分の部屋に閉じこもる。


着ている服から、臣の匂い。





これも忘れなきゃ。辛いだけ。

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