１２ 《臣side》 ページ12
Aとカラオケに来て、
Aのリクエストに応える。
『 うん、臣が歌ってるのがすき 』
「 なんだよそれ、(笑) 」
そう笑いながらも、
やっぱり褒められるのは嬉しい。
この時から、いや、もっと前から、俺の中で
��歌手になりたい��
って気持ちはあったのかもしれない。
けど、そんな現実味のないことを
口にする勇気なんてなかった。
しかも、��いつかは結婚したい��
そう思ってた彼女になんて、
言えるはずがなかった。
上手くいく保証なんてない。
むしろ上手くいくはずがない。
歌うことが好きなだけ、それでいい。
正直、美容師の仕事に飽きている自分が
いるのはわかってた。
けど、自分を納得させるために
��俺は美容師で頑張っていくんだ��
そう言い聞かせてた。
『 今日はどうだった？指名のお客さん取れた？ 』
「 んー…まあそこそこかなぁ 」
『 そっか 』
俺が好きで美容師になったわけではないことを
彼女も知ってた。
『 臣はさ、他にやりたいことないの？ 』
曲の予約を入れずに、
久しぶりに2人で仕事の話をする。
「 やりたいこと？ 」
『 うん、美容師、じゃないでしょ？ 』
わたしは好きだけどね、臣の仕事してる姿、
って言う。
Aにも何度かサロンに来てもらって、
カラーやカット、ヘッドスパとか
自分の経験値をあげるためにも
協力してもらってる部分があった。
『 臣のやりたいこと、私は何でも応援する 』
こうやってこの時、彼女に背中を押されて
なかったら、
今の自分はない。確実に。
この一言で腹をくくった。
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ra(プロフ) - こんばんは。いつも作品を拝見させて頂いているものです。いつ も読む度に切なくなります。今まで読んだ作品の中でこの作品はとても素敵な作品だなと思い毎日更新が楽しみです。こちらの作品はハッピーエンドになる予定なのですか？これからも更新楽しみにしています。 (2017年10月25日 17時) (
レス) id: 0628051535 (このIDを非表示/違反報告)
穂香(プロフ) - つづき楽しみにしまくってます (2017年10月25日 15時) (レス) id: 5b2b0affa6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：O312_nx | 作成日時：2017年10月6日 0時
