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鶴の恩返し? ページ36

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―― あの出来事から数日。

廉はもう殆ど今までと変わらない生活を送っている。


相変わらず声が大きく、いまいち距離の掴み方が分かっていなくて、たまに私に怒られる。
それでも廉は、楽しそうに笑っていた。



とある夜。

私はお風呂上がりに缶ビールを飲みながら、ソファに座ってテレビを見ていた。
廉はというと、私の隣に座って、自分のシャツの袖や裾を気にしている。


『ん…?廉、さっきから何してるの?』

廉「いや、この前の怪我でシャツが汚れてもうたから。どうしようかなーと思ってた。」


確かに廉の白いシャツは、ところどころ赤く染まっている。
これは廉が目を覚ました日にどうするのか聞いたけれど、「あー、別に構へんわ。」と言っていた。
代えのシャツがあるわけではなさそうだし、廉がそう言うならと放っておいたんだけど。


『……やっぱり気になってるんじゃん。』

廉「あのときは気にならへんかったけど、今気になったんやもん。」


子どものように言う廉に小さく声を上げて笑う。
「笑うなや!」と怒る姿に更に笑いが止まらなくなっていく。


廉「……よし。」


小さく呟いたと思ったら、赤く染まった肩や腹部の部分のシャツをビリビリと破り始めた。
当然素肌が目の前に晒されるわけで。


『ちょちょ…っ!何してんの!』


思わず廉の腕を掴んで止めさせようとしたけれど、当の本人はきょとんと首を傾げている。


廉「なんやねん。汚れた部分を作らなあかんやん。」


平然と告げる廉に、私はきょどきょどしながら手を離す。
すると廉はシャツを脱ぎ、背中に生えている羽根を何枚か引き抜いた。


廉「天使のシャツはな、自分の羽根で作ってるねん。」



細長い指先で羽根を持ち、破いた部分を繕っていく姿を見つめて、思わず呟いた。




『鶴の恩返しみたい。』

廉「は?」



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咲笑(プロフ) - ぴまさん» 初めまして。感想ありがとうございます!その曲は知らないのですが、マッチしていたようで良かったです!番外編は、紫耀くんや海人くんにももっと沢山出てもらおうと思ってます。良かったらまた遊びに来てくださいね^^ (2020年6月21日 3時) (レス) id: 83fdcbd5fb (このIDを非表示/違反報告)
咲笑(プロフ) - さやりんさん» 初めまして。感想ありがとうございます!今回はとことん純真無垢な可愛い廉くんにしたかったので、癒されると言っていただけて嬉しいです。番外編では、もっといろんな顔を書いていけたらと思っていますので、また良かったら遊びに来てくださいね^^ (2020年6月21日 2時) (レス) id: 83fdcbd5fb (このIDを非表示/違反報告)
ぴま(プロフ) - はじめまして、完結おめでとうございます!とても綺麗なお話で途中うるうるしながら読んでました> <私が好きな曲で天使はいたんだという曲があるんですけど、完全にこの物語とマッチしていたのもあって本当に好きなお話でした> <番外編楽しみにしてます^^ (2020年6月20日 17時) (レス) id: 3bbab8bcdb (このIDを非表示/違反報告)
さやりん(プロフ) - 初めまして!完結お疲れ様です。めちゃくちゃ面白くて更新が待ち遠しかったお話でした。もぉ、天使なれんが毎回可愛すぎました!お話読むたび癒されました^ ^番外編も楽しみにしております!本当に完結お疲れ様でした!! (2020年6月20日 8時) (レス) id: 0eb138626a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:咲笑 | 作成日時:2020年6月8日 0時

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